政府は4月4日に食料・農業・農村政策推進本部会合(本部長:安倍晋三首相)で「21世紀新農政2007」を決めた。農林水産業の潜在能力を最大限発揮させ政府一体となって21世紀にふさわしい戦略産業としていくことを掲げている。
新農政07では、開発途上国の経済発展やバイオ燃料生産の拡大などの影響で国際的な食料事情に不透明感が増していることを重視。「海外から思惑通りに食料を調達できるという前提が崩れる可能性」があるとして、国際食料情報を一元的に収集・分析する体制の整備や、WTO農業交渉、EPA交渉への戦略的取り組みなど、「食と農に関する新たな国家戦略の確立」を打ち出した。
国際食料事情については客観的な分析をふまえて有識者で構成する「国民食料会議」(仮称)を開催、食料問題について国民全体で認識の共有を図る。
国内農業の体質強化に向けては農地政策改革を重視。農地の利用を一旦プールする組織を地域につくり、面的にまとめて担い手に再配分する仕組みを構築する。平成27年に効率的かつ安定的な農業経営が経営する農地面積(315〜360万ha)の7割程度を面的に集積する目標を掲げた。
食品安全対策では、新たにGAP(農業生産工程管理手法)や食品製造段階でのGMP(適正製造規範)の導入を打ち出し、GAPについては23年度までに主要2000産地で導入する目標を掲げている。
そのほか資源・環境対策ではバイオマスの利活用を加速化させ23年までに国産バイオ燃料の5万klの生産と22年度までにバイオマスタウン300地区の構築を目標とした。
また、農山漁村は安倍内閣が掲げる「美しい国」の原点であるとして、農村地域の活性化に向けて、5年間で全国市町村の過半(1000以上)で居住者、滞在者の増加につながる取り組みを進める。
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