JA全農は4月23日に、3月末現在の業務改善計画(新生プラン)の進捗状況について報告した。これで6回目の報告となる。今回は昨年12月末現在の報告で積み残されていたことや進捗が遅れていた部分を中心に報告された。
これによると、全農グループ2万5000人体制を2万人にするなどの経営合理化については、19年3月末で全農本体で720人を削減し1万377人、子会社が143人削減し1万3887人の2万4267人となっている。全農本体の要員は、22年3月末には9500人程度とすることを3月の総代会で決定しているが、子会社については「会社別の要因削減目標値を算出し、今後、各子会社との協議を開始し、会社別要員計画を策定」していくとしている。
また、賃金水準調整については、総人件費抑制を前提にした体系統一の基本的な考え方をまとめたが、20年4月までの新制度移行完了をめざして、10月以降、労使協議が整った本部から順次移行を実施していく。
担い手への対応強化では、アラジン肥料満車直行・農薬大型規格品設定などの価格対策やサービス・インフラ対策など18年度に前倒しで実施した対策は、総額で6億8000万円(計画比89%)。担い手担当者は各県本部で担当部署を設置し、専任・兼任合わせて165名を設置し、当初計画の150名を達成した。今後は、JAの担い手専任者と一体的な事業提案・クレーム対応などの訪問活動を通じた担い手農家との取引拡大に取組んでいく。
担い手対応支援システムについては、30県域・196JAと利用契約を締結し、4万9000件が登録された。今後は、21年度末までに15万件の登録を目標に取組んでいく。
さらに、全中と連携し、取り組みに関する高位平準化、生産現場レベルでの進捗状況と課題を把握するために、全JA調査、定点観測JA調査、担い手アンケートなどを実施することにしている。
子会社の再編では、この1〜3月で12社を再編(累計37社)した結果、3月末現在の子会社数は166社となった。また、物流会社の全国1社化にむけて「物流新会社組成事務局」を設置し、新会社の事業内容・事業体制の検討など新会社の設立準備に着手した。
「生産者・組合員の手取り最大化」では、市場連動型運賃決定方式の導入拡大を通じた物流コストの継続的な削減の実施を行っていくとしている。また、園芸事業については各県本部ごとの園芸事業改革具体策が山梨を除く全県本部で組織決定が完了したが、今後は県別具体策の行動予定表による進捗管理を実施していくことにしている。
「生産者・組合員に信頼される価格の確立」としては、生産資材コスト低減チャレンジプランにそって実践されており、一部品目を除いておおむね目標を上回る実績をあげている。
これを受けて農水省は、子会社の要員削減について遅れていることを指摘。担い手対応強化については、専任者の設置が計画を上回ったことや登録が進んでいることを評価するとともに、具体策が見えるようにキチンと取組むよう要望したという。
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