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日本産牛肉の香港向け輸出再開へ 5年半振り、4月27日から


 香港政府は4月24日20時30分(現地時間)、停止していた日本からの牛肉輸入を4月27日から再開すると発表するとともに、日本政府へ伝えた。
 香港向け日本産牛肉輸出は、平成12年には約60t(約4億円)の実績があり、最大の牛肉輸出先だった。日本でBSE(牛海綿状脳症)が発生したため、平成13年9月以降輸出が停止されており、5年半振りの再開となる。農水省は平成16年6月から香港側にわが国のBSE対策に関する情報を提供するなど、輸出解禁を要請し、協議を重ねていた。
 松岡農水大臣は25日記者会見し、「(香港政府の措置を)歓迎すべき喜ばしいこと、感謝している」と評価したうえで、「次に向けて大きなステップにしたい」と、同じく輸出再開を要請しているシンガポール、台湾、中国への解禁の実現に向けて期待を示した。
 今回の香港側の決定の結果、香港側が求める輸出条件を満たす施設としてこれまで厚労省が認定しているのは、サンキョーミート(株)有明第2工場、南九州畜産興業(株)末吉と畜場(いずれも鹿児島県)の2施設。さらに(株)群馬県食肉卸売市場(群馬県)、(株)ミヤチク高崎工場(宮崎県)が申請を準備中という。
 香港向け輸出の衛生条件のおもなものは、SRM(特定危険部位)の衛生的な除去、30か月齢未満の牛、骨なし肉、HACCP導入施設での処理の4項目。
 輸出再開の第1便は5月中旬となる見込み。現地での客層は高級肉志向の香港の富裕層や在住の外国人などになりそう。
 牛肉の対米輸出実績が17年2月の輸出再開後は以前より大きく伸びており、農水省は「香港向け輸出の拡大に期待したい」と話している。

(2007.4.26)

 

 

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