JAグループは香港向け和牛の輸出を今月から再開する。
香港向け輸出には、と畜場と食肉処理施設が厚労省の認定基準を満たすことが必要で、4月始めに鹿児島とJA鹿児島経済連、JA宮崎経済連などが出資している南九州畜産興業(株)(鹿児島県曽於市)が認定を取得していた。4月下旬に香港政府が輸入再開を決定したことから、同社は5月14日に第1便を出荷する。
予定されているのは鹿児島県産の黒牛約5頭でロース、ヒレなど高級部位中心に500〜600キロ程度。香港への販売はJA全農ミートフーズがJA鹿児島県経済連の協力で行っていく。
BSE発生前の平成12年度には香港向け和牛は60トンの輸出実績がある。和牛の輸入がストップして以来、豪州産牛肉が増えていたが、香港の日本食レストランや高級デパートなどでは和牛のニーズが高いという。香港では100gあたり3000円程度での販売が予定されている。
今回の輸出再開にあたって、香港政府が食肉処理の要件としたのは、30か月齢未満の牛であることと、背割り機械を分別すること。南九州畜産興業ではこの要件に則し、当面は月10頭程度の食肉処理を予定している。
和牛の輸入再開では、17年12月に対米輸出が再開されており、同社から18年度に22トンが出荷されるなど、JAグループ全体の対米和牛輸出は計38トンの実績となった。
同社のほかサンキョーミート(株)が対香港向け輸出の施設認定を取得している。また、(株)ミヤチクも認定取得を準備しており、認定取得後はJA宮崎経済連と協力しJA全農ミートフーズが出荷していく予定で、JAグループとして「THE WAGYU」を海外に広めることに力を入れる。
14日には南九州畜産興業で出荷式も行われる。
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