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温暖化防止対策を強調 −森林・林業白書 (5/11)


 政府は5月11日の閣議で18年度の「森林・林業白書」を了承した。
 19年2月に政府は「美しい森林づくり推進国民運動」を官民一体で展開していくことを決めたが、白書では「緑の社会資本」である森林が多面的機能を高度に発揮できるような森林づくりを進める重要性を指摘している。具体的には森林全体の4割を占める人工林が40年生前後をピークとする分布になっており、ピーク部分が利用可能な時期に近づいていることを紹介。ただし森林の公益的機能を持続的に発揮させるためには、充実してきた森林資源の利用と合わせて、今後は針広混交林や、広葉樹林への誘導など多様な森林整備も必要になっているとしている。
 そのため、人工林資源の循環利用に大きな役割を果たす林業・木材産業についても、原木を供給する林業と原木を利用する木材産業が一体となって生産・加工・流通体制を整備し、品質・性能の確かな製品の供給に努めることが課題だ指摘した。そのほかバイオマス利用の観点からの木材の総合利用の必要性もあげた。
 また、今回の白書には「地球温暖化防止に向けた森林吸収源対策の推進」にも一章を割いた。
 日本は京都議定書の温室効果ガス6%削減約束の達成のために、1300万炭素トンを森林で吸収することにしている。ただし、参入対象となるのは「森林経営」が行われている森林に限られることから、わが国の森林の45%を占める育成林で間伐等の整備を行っていくことが重要だが、林野庁の試算では現状の森林整備では目標達成には、110万炭素トン分の森林整備が不足する。白書ではこの点を解説し、全国的な間伐の着実な推進など森林吸収源の加速化の必要性を強調した。
 また、森林所有者の高齢化、不在村化などが進んでいることから、森林組合による積極的な施業や経営受託が求められていることも指摘したほか、「緑の雇用」による若年層の就業者の確保、育成についても課題としている。

(2007.5.16)

 

 

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