農水省統計部はこのほど、平成18年青果物卸売市場調査結果を公表した。
国産野菜の卸売数量は1174万tで、昨年に比べ2%減った。キャベツは前年の低温の影響で生育が遅れて、1月以降に入荷がずれ込み6%増えたが、なすは低温の影響で9%、きゅうりは天候不良で7%減ったことなどによる。
卸売価格と数量を掛け合わせた全体の卸売価額は2兆2497億円で、前年に比べ4%増えた。きゅうり、なす、ピーマンの卸売価格が大幅に上昇したため。構成比は果菜類が27%ともっとも多く、葉茎菜類が21%、土物類が15%となっている。
全品目を平均した1kg当たりの卸売価格は192円で、前年に比べ6%上昇した。低温などの影響で数量が減ったため、高値で推移したことによる。
主要都市の卸売市場での輸入野菜の卸売数量は34万tで、前年に比べ21%減った。前年大幅に増えたタマネギの輸入が減ったことや、アメリカ産ブロッコリーの不作による輸入減のため。
輸入野菜の卸売価格は1kg当たり平均224円で、前年に比べ16%上昇した。1〜5月にニュージーランド産かぼちゃが不作で数量が減り、価格が上がったのが主な要因。
国産果実の卸売数量は336万tで、前年に比べ11%減った。少雨の影響でみかんの果実が肥大せず、小玉の出荷が増えたことや、日本なしが天候不良で前年に比べ大幅に減少したため。
卸売価額は1兆278億円で、前年並みだった。みかんは上昇したが、いちごが低下したのがおもな要因。構成比はみかんといちごがともに18%、りんごが15%で、この3品目で全体の約5割を占めている。
卸売価格は1kg当たり平均306円で、前年に比べ11%上昇した。みかん、日本なし、メロンが低温、小雨の影響で数量が減り、前年に比べ価格が大幅に上昇したため。
輸入果実の卸売数量は112万tで、前年に比べ10%減少した。フィリピン産バナナが天候不良のため不作だったことや、アメリカ産グレープフルーツがハリケーンの被害で不作だったため、ともに輸入が大幅に減ったのが要因。
卸売価格は1kg当たり平均165円で、前年に比べ8%上昇した。バナナ、グレープフルーツ、レモンの数量が減って、価格が大幅に上昇した。
調査結果は、指定野菜の価格安定対策や果樹経営安定対策などで、生産者補給金などを交付する際の保証基準額の算定資料となる。また、重要野菜の緊急需給調整や指定野菜の緊急出荷調整の際の時期、数量の判断資料ともなる。
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