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くらしの活動推進委員会 |
JA全中は5月23日に「くらしの活動強化推進委員会」の第1回会合を開いた。この委員会はJA生活活動研究会が3月にまとめた報告書をもとに今後のJAの具体的な生活活動について検討を深めるために設置されたもの。
委員長の茂木守JA全中副会長は、内外に農政課題は山積する一方で農村の地域社会が大きく変貌し、組合員や地域住民の願いやニーズが多様化していることにJAがどう対応するかが問われているとあいさつで指摘。第24回JA全国大会決議では二番目の柱で地域貢献を掲げ、全JAで取り組むべき課題として、高齢者福祉と食農教育をあげたが茂木委員長は、それにとどまらず幅広い生活活動を検討していく必要があることも強調した。
会合では生活活動は「暮らしの活動」であるとの考えのもとに、組合員の自主的な活動をもとにした地道な地域づくり運動との意見などが出された。そのためにJAが持つあらゆるサービス、事業を地域社会から支持される生活活動を通じて「再編、再構築」していく必要性が指摘された。いわば縦割り化している事業に横串を通すという生活活動のイメージだ。
そのうえで会合では、JAが取り組むべき生活活動のテーマとして(1)保健・医療と連携したJAの高齢者生活支援活動、(2)地域が一体となったJA食農教育活動、(3)美しい地域環境を守るJA環境保全活動、(4)次世代と女性農業者をサポートする子育て支援活動、(5)地域住民とともに農地を有効活用するJAによる市民農園活動、(6)都市住民の田舎暮らしニーズに対応し支援する活動、の6つを提起した。
高齢者福祉活動は全JAで取り組むこととしているが、現状では350JA程度にとどまっているため、大会決議の確実な実践も強調した。ただし、この提起では、保健・医療との連携をあげたように、具体的にはJA単独ではなく厚生連病院や、地元行政との連携などを強調し、JA外の力を借りて実践する視点がある。
また、環境保全活動などはJA職員のボランティア活動など組合員・地域住民とJAが一体となった活動も考えるべきだとしている。
今後、こうしたテーマを実践するにあたっての課題としては、まず何よりも「生活活動の重要性・必要性をJA全体で共有すること」をあげた。役職員全体の意識改革と一方で活動へのモチベーションを高めるための生活活動の評価手法も提示していくことも検討課題とされた。
また、支所のくらしの相談機能の強化、活動の核となる地域住民有志の発掘や、活動経費の考え方なども検討していく。
今後は、6つのテーマごとに作業部会を設けてモデル的な事業や実行具体策を検討し9月下旬の第2回会合で優先的な生活活動について設定し、JAでの実践を進めていく。
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