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中央 茂木会長
右から2人め 小泉名誉会長
右端 故 松岡農水大臣 |
農林水産物等輸出促進全国協議会は5月25日、東京・港区のホテルで総会を開き、平成25年までに1兆円の農林水産物・食品輸出の実現をめざす輸出戦略の農水省案を了承した。
1兆円構想は安倍内閣発足時に提唱され、農水省が重要課題として実現に向けた具体策をまとめてきた。
総会では議事の前に役員の選任をおこない、名誉会長に小泉純一郎前内閣総理大臣を、故木村尚三郎前会長の後任に茂木友三郎キッコーマン(株)代表取締役会長を選任した。また、規約改正により新設された顧問には、渡辺好明東京穀物商品取引所特別顧問を選任した。小泉前総理は昨年9月に首相を退任して以来、初の公職となる。
戦略のとりまとめに陣頭指揮をとった松岡農水大臣(5月28日死去)は挨拶で「輸出額は17年度3310億円(前年対比12.1%増)、18年度3739億円(同13.0%増)と順調に伸びている。1兆円の実現には実行することが大切だ。戦略に沿った関係者の努力を期待する」と述べた。
茂木会長は「輸出戦略にもとづく官民一体の努力が必要だ。さらに日本食文化の海外普及が重要だ」と述べた。
小泉名誉会長は「輸入阻止に力を入れるよりも、輸出に力を入れる方が楽しい。おいしいものは、どの国の人も喜ぶ。安全・高品質で夢のある日本の農林水産物により、健康を世界に輸出しよう」と挨拶した。
また、安倍総理大臣からは「日本の農林水産業確立の切り札となる輸出が、さらに伸びるよう期待する」とメッセージが寄せられた。
平成25年度までに1兆円の輸出を達成するためには、今後毎年度15%を達成していく必要がある。輸出戦略の基本となるのは「輸出環境の整備」、「品目別の取り組み」、「意欲ある農林漁業者に対する支援」、「日本食・日本食材の海外へPR」の4本柱。
品目別取り組みでは米、食肉、野菜など主要11品目中の重点個別品目ごとの重点輸出国を決めたほか、品目ごとの課題を明確にし、業界、産地関係者が年度別に取り組む工程表(輸出実行プラン)も盛り込まれている。
農水省は「具体的に輸出に取り組むのは民間で、国は民間のできない部分を支援する」と、支援に全力をあげることとしている。輸出支援のための農水省の19年度予算は、主要な項目で23億円程度が組まれている。
当日は、海外で日本食レストンの経営や伝統食品の輸出に尽力している日本食海外普及功労者5名が表彰され、松岡大臣、小泉名誉会長と記念写真に収まった。表彰者の講演もおこなわれた。
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