日本穀物検定協会(伊藤元久理事長)は5月25日、理事会と評議委員会を開催し、平成18年度事業報告、同収支決算を承認した。事業収入に当たる事業収益は46億1800万円で、前年度より1億3682万円の減(前年対比97%)となった。
協会発足以来実施してきた政府米の入庫検定業務が廃止されたこと、18年産米の作柄が「96」と不良だったことなど、米穀関係業務が前年実績より大幅に減ったことが主な要因。輸入農産物、雑穀などの検査・検定業務も他機関との厳しい受注競争により、施検率が前年より減った。
一方、ポジティブリスト制度の導入にともなう輸入米麦の残留農薬分析業務が増加したことなどから、理化学分析関係業務の実績は計画を上回った。
ポジティブリスト制度に対応するため、中央研究所で高性能分析機器を導入したり、機器の更新など体制整備をすすめた。また、東京分析センターでDNA鑑定などのバイオテクノロジー分析を中心に、米の情報提供システムに関連する理化学分析を迅速に実施できる体制を整えたほか、安全性分析、遺伝子組み換え体の分析業務にも対応できるようにした。
また、中国国家質量監督検験検疫総局と技術交流をおこなっており、同総局の協力を得て平成18年11月に北京連絡事務所を開設した。今後、中国との農産物貿易面での活動をめざしている。 政府米の入庫検定が廃止されるなど、事業環境が大きく変化しているなか、今後の新規事業などの検討が課題になっているため、同協会では6月から委員会を発足させ、今後の事業展開の方策を検討する。期間は1年とし、民間から有識者も招き、集中的に検討して、成案を得たものから着手していく予定。委員長は森元相談役が務める。
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