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バランス重視し、全力出し切る 緑資源機構は廃止の方向へ
−赤城農水大臣就任会見 (6/1)


赤城徳彦 新農水大臣
赤城徳彦 新農水大臣

 安倍首相は6月1日、5月28日に急逝した松岡利勝前農水大臣の後任に、赤城徳彦(あかぎのりひこ)自民党国際局長を起用した。
 赤城新大臣は1日、17時30分に初登庁後、19時過ぎから記者会見し、農政に取り組む方針と決意を語った。このなかで新大臣は、食料とバイオ燃料、農産物貿易交渉には輸出国と輸入国の間のバランスに配慮することが必要なこと、政策全般の推進に全力をあげてしっかり取り組むことを強調した。
 また、緑資源機構は安倍総理から根本的な見直しを指示されたので、廃止の方向で検討するよう事務方に指示したと述べた。
 さらに「松岡前大臣の不幸の後の任務で課題も多いが、道半ばで倒れた松岡氏の無念を思い、農水省をあげてしっかり取り組む。農政は現在品目横断的担い手対策、農地改革、環境問題の3つの大きな課題に取り組んでいるので、これらの具体策を明確に示してすすめていく。
 農地改革は、所有と利用の問題があるが、まずは農地の利用をどのように集積するかが大切だ。法人化をすすめることも必要だし、規模の小さいところは、集落営農で集積できる。
 国際問題としては、WTO、EPAなどの交渉には、日本の国益を守る立場で交渉に臨む。特にオーストラリアは難しい相手だが、輸出国と輸入国とのバランスが大事なので、国益を守りつつしっかり取り組んでいく。
バイオ燃料をすすめることは重要だが、食料の値段が上がるのは好ましくない。
食料と燃料が両立するよう、世界に発信していきたい。
 日本は自然環境に恵まれているが、国土は狭く、山間地が多いという制約もある。しかし、そうした環境に安住はできない。"人"の力を結集して、"攻め"の農政をやりたい。日本の農林水産物は世界に誇れるものだ。高い値段で買ってもらえる、価値のあるものを生産者には作ってもらい、輸出拡大に取り組みたい。世界的に日本食ブームが起きており、今がチャンスの時だ。(平成25年までに)輸出額1兆円の目標は大きいが、農水省はその支援をしていく」と語った。
 また、農協のあり方をどう考えるか、との質問に「農協は農政、農業にとって大きなカナメなので、農家のためになるよう改革をすすめていく。特に経済事業は大きな課題であり、改革の成果が農家に反映されているかどうかを見極めながらさらにすすめていく」考えを示した。
 また、赤城カラーをどう出すかとの質問には「これまで、農業政策の決定の過程での議論には自らも参画してきたので、現在の政策を自信と誇りを持ちつつ、攻めの農政をすすめていく。政府、与党とともに、全力を出し切る覚悟で取り組む」と改めて強い決意を表明した。
 赤城氏は茨城県出身で、昭和34年生まれの48歳。昭和58年東京大学法学部卒業後農水省に入省し、林野庁林政部、大臣官房企画課などを経て昭和63年同省を退官。
 平成2年の総選挙で祖父赤木宗徳氏の後を受け旧茨城3区(現第1区)で当選し、以後連続当選を重ね現在6期目。党農林部会長を務めるなど、農政に通じている。今回が初の入閣。祖父の宗徳氏も、岸内閣などで農相を務めた。
 主な政歴は次の通り。
平成8年1月 総務政務次官(8年11月まで)
12年7月 衆議院運輸委員長(13年1月まで)
14年1月 衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員長
(14年10月まで)
14年10月 防衛庁副長官(15年9月まで)
16年11月 衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員長(17年11月まで)

(2007.6.4)

 

 

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