< 経済事業部門> |
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前越後さんとう農業協同組合
組合長・
前全農新潟県本部運営委員
関譽骼 |
かいふ農業協同組合
代表理事組合長・
前全農徳島県本部
運営委員会会長
冨沢俊夫氏 |
< 共済事業部門> |
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とぴあ浜松農業協同組合
代表理事理事長
田端敬一氏 |
周南農業協同組合
代表理事組合長
桑田吉雄氏 |
< 信用事業部門> |
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福岡市農業協同組合
代表理事組合長
倉光一雄氏 |
いずも農業協同組合
代表理事組合長
萬代宣雄氏 |
< 一般文化部門> |
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元あいち知多農業協同組合
理事
青木君笑氏 |
みやぎ登米農業協同組合
代表理事組合長
阿部長壽氏 |
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ちばみどり農業協同組合
営農センター飯岡センター長
坂尾清志氏 |
えひめ南農業協同組合
代表理事組合長
林正照氏 |
< 特別賞> |
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元全国農業協同組合連合会
常務理事・
元全国農業協同組合
中央会常務理事
故
榊春夫氏 |
積年の実践と思索を讃える
激動の今こそ、学ぶべき貴重な英知
農協人文化賞推薦のことば 推薦委員会委員長今村奈良臣氏
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今村奈良臣氏 |
農業協同組合法はその制定から数えて還暦を迎えることになった。また、戦後最大の農政改革と言われる品目横断経営安定対策は本年度から実施に移されることになった。
他方、WTO交渉はいまや最終局面を迎え、さらにFTA、EPAなど農畜産物貿易自由化の推進を含む国際交渉も目白押しの状況にあり、断乎日本農業を守る路線を推進しなければならない。
時間軸、空間軸双方の基本視点を踏まえて、農協をめぐる状況を一言で表現するならば、まさに激動、激変の時代に入っていることを認識しなければならない。昨年秋に開催された第24回JA全国大会の決議の実践がますます問われる時代になっているのである。
このような課題に挑戦し、新たなJAの改革路線を実現するためには、なによりも優れた人材が必要不可欠である。
農協人文化賞は、農業協同組合法公布30周年を記念して社団法人農協協会と農業協同組合新聞の共催で制定され、今年で29回という歴史を刻んできた。昨年までに実に235人という多数の方々が表彰されている。
この農協人文化賞の最大の特徴は、ほかの表彰事業とは大きく異なり、その表彰規定の第3条に「本賞は多年にわたり農協の発展に献身的に寄与した『隠れた功績者』に贈る」と明記されているように、功成り名遂げた方々に贈るのではなく、農協運動を着実に推進してきた、いわば縁の下の力持ちに贈るということを趣旨とする表彰事業である。しかし、それは単なる縁の下の力持ちではない。
農協運動の最前線で苦闘を繰り返しながら、新しい路線の開拓と合わせて、事業、経営、組織の改革を目指して、たゆみのない思索と実践を重ねてこられた方々に対して贈られるべきものであると考えている。そういう方々の英知と実践の蓄積をいかに農協運動の明日に活かすかというところに、農協人文化賞、その中でも一般文化部門の表彰にはかけがえのない価値があるものと考えている。
以上のような本表彰事業の基本的視点に立って、経済事業部門では関譽骼≠ニ冨沢俊夫氏を、共済事業部門では田端敬一氏と桑田吉雄氏を、さらに信用事業部門では倉光一雄氏と萬代宣雄氏をそれぞれ御推薦申し上げることとした。
ついで一般文化部門では各界から推薦された候補者が多数にのぼったため、推薦委員会ではかつてないような長時間にわたる厳正な審査と協議のうえで次の各氏を受賞者として推薦することに決定した。
青木君笑氏、阿部長壽氏、坂尾清志氏、林正照氏(五十音順)の各氏であり、特別賞として(故)榊春夫氏を推薦することに決定した。
青木君笑氏は、JA東知多(現JAあいち知多)で愛知県で初めての女性理事となり、5000名を超える女性部の組織化に全力をあげつつ生活活動、福祉活動等の推進に多大の貢献をされた。
阿部長壽氏は長年にわたる農協活動のうえで平成14年、みやぎ登米農協の組合長に就任、米・畜産・園芸を3本柱とする地域農業振興計画を推進し、全国のモデルとなる環境保全型農業の推進に全力を注ぐとともに産消連携の先進的運動を推進されてこられた。
坂尾清志氏は、JAちばみどり営農センター飯岡センター長として、銚子農協時代から37年間にわたって培ってきた営農販売指導事業の経験を、野菜の大産地をさらに飛躍させるべき組合員の指導と市場開拓に情熱を傾けておられる。
林正照氏は、JAえひめ南の組合長として、座右の銘「みずから燃えて、人を燃やす」という精神で、本業のJAの活動はもちろん直売所の開設、高齢者の福祉、女性活動の推進など実に多面的活動を推進されてきている。
このように、以上の4氏はそれぞれの地域において、第24回JA全国大会の決議に先行するすばらしい全国JAの模範となるべき活動を、それぞれの地域特徴を踏まえて、実践、指導されてきているのである。
最後になったが、本年度は特別賞として、本年3月23日に心不全のため急逝された榊春夫氏に贈ることとした。榊さんは昭和23年に全販連に入会、昭和48年に全農常務、55年にJA全中常務に就任され、実に10余年にわたり全国機関の多くの役員として先頭に立ち、系統事業の確立と発展に挺身されてこられた。また、農協人文化賞の推薦委員会委員としても常に卓見を述べてこられてきたことを私としても心に刻まれている。榊さんのご冥福を心からお祈りするとともにここに特別賞を贈らせていただきたい。
「祝辞」 宮田 勇 全国農業協同組合中央会 会長
仲間を勇気づける功績に敬意
このたび、第29回農協人文化賞を受賞された11名の皆様方に、JAグループを代表して心よりお祝いを申し上げます。
多年にわたり農業協同組合運動の発展に献身的に寄与してこられた功績者を表彰するこの「農協人文化賞」は、信用、経済、共済、一般文化の各部門から毎年選定され、これまでに230名を超える方々がこの栄えある賞を受賞されております。
全国各地で長年にわたって活動に邁進してこられた諸先輩方のその卓越した指導力、先進性はもちろん、活動に多大なる貢献をされてきたことは、多くのJAグループの仲間が感銘を受け、勇気づけられてきたことと確信いたします。この賞を通じて優れた事例を広くJAグループ内外に紹介することによって、農業協同組合の事業全体にとっても発展拡大する大きな刺激となってきたといえるでしょう。
さて、日本農業をめぐる情勢に目を向けますと、WTO農業交渉、日豪EPA交渉など、予断を許さない状況になっており、農業のグローバル化による輸入農畜産物の増大が懸念されています。また、農業者の高齢化と地域における担い手不足が課題となっており、このままでは農業の維持さえも困難な地域が増大しかねない事態となっています。
このため、今年度より始まった経営所得安定対策を踏まえた地域農業の基盤強化と活性化が、今後ますます求められていくことになります。
一方で、消費者の安全・安心な農畜産物へのニーズの高まりや、ファーマーズマーケットや地場産学校給食など地産地消の広がり、農業体験や地域の郷土料理講習といった食農教育の拡大に象徴されるように、農業やJAに対する地域住民の関心や期待は非常に高まっています。
こうした情勢を踏まえ、昨年10月に開催いたしました第24回JA全国大会では、「食と農を結ぶ活力あるJAづくり〜「農」と「共生」の世紀を実現するために〜」を決議いたしました。
農業振興は、JAグループの使命です。JAグループは精力的に担い手を育成・支援し、消費者の最大の願いである安全・安心な農畜産物を供給すると同時に、食農教育や高齢者の生活支援などこれまで以上に地域貢献を進め、食料・農業・農村が抱える問題の解決に貢献していく所存です。
こうした中で、当賞が創設されて以来29年にわたり、真にJA事業や地域農業の発展に尽力された“隠れた貢献人”を発掘し、このようにJA内外に広くご紹介し続ける機会がありますことは、誠に意義のあることと存じます。
最後になりましたが、受賞者の功績に改めて敬意を表しますとともに、本賞のますますのご発展と関係各位のご活躍、ご健勝を祈念いたしまして、祝辞とさせていただきます。 |
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