JA全農は18年度事業概況と決算内容を6月19日に明らかにした。
これによると、18年度の取扱高は17年度実績を2615億円下回る5兆3998円で計画比99%となった。事業別にみると、畜産、燃料事業は数量は減少したが価格の上昇などの影響で計画を上回った。しかし、米穀事業は18年産米の不作・単価の低迷・消費減退による販売数量の減少。生産資材は需要の減退、生活は組織購買を中心とした需要減などによって、それぞれ計画を下回った。
事業総利益は、取扱高の減少に加えて、為替の円安、エタノール向け需要の増加にともなう飼料原料価格の上昇、中国などの需要拡大による肥料原料の上昇、原油価格の上昇など海外原料の影響を大きく受け(事業利益で51億円程度の影響)、計画を109億8400万円下回る1139億3800万円(計画比91%)となった。
事業管理費は、業務費をはじめとする諸経費の削減で計画を38億9600万円下回る1225億6300万円となったが、事業総利益が大きく計画を下回ったために事業利益は86億2400万円の損失となった。これに事業外損益を加えた経常利益は15億1500万円となったが、計画の62億円を大幅に下回る結果となった。
さらに特別損益として、新生プランの着実な実践に向けて19〜22年度までの要員削減費用112億円を一括計上するなどしたため、税引前当期利益は、△77億5400万円。法人税・住民税および事業税、法人税等調整額を計上した後の当期剰余金は158億5800万円の赤字となった。
このため、前期繰越剰余金(27億5200万円)に加えて情報システム開発積立金、経営基盤整備積立金などの積立金を取崩し、90億7700万円の当期未処分剰余金を計上。さらに圧縮積立金27億8700万円)、特別償却積立金300万円を取崩し、任意積み立てをするとともに、計画通り2%の出資配当を実施することにしている。これにより次期への繰越剰余金は21億900万円となる。
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