農水省は6月27日、タイへのうんしゅうみかんの輸出が解禁されたと発表した。
これまでタイは日本で発生するミカンバエ(学名=Bactrocera tsuneonis 英名=Japanese orange fly)等の侵入を防止するため、日本からのかんきつ属性果実の輸入を禁止していた。
このため、平成17年1月にわが国から解禁を要請し、両国間で技術的な協議を重ねてきた。6月13日付でタイの農業・協同組合省から農水省に、うんしゅうみかんについて、ミカンバエが発生していない地域内にある等の条件を満たす生産園地からの輸入を解禁すると、通知があったもの。
解禁にあてはまる検疫条件は次の通り。
▽モニタリング調査(4月1日〜10月31日)の結果、ミカンバエの発生が確認されていない地域にあり、植物防疫所が登録した生産園地であること(今年産を輸出するためには、今年4月1日からのモニタリング調査が実施されていることが必要。現在は静岡県藤枝地域が該当する)。
▽輸出のための梱包作業が11月1日から来年3月31日までの間に行われること。
▽生産地域について、輸出初年度にタイ側検査官による現地調査が実施されること。
▽輸出向け生産園地等について、毎年タイ側検査官が現地調査を行うこと。
▽日本側が行う輸出検査には、タイ側検査官が立ち会うこと。
今後、新たにタイ向けうんしゅうみかんの生産園地として登録されるためには、都道府県を通じて植物防疫所に申請し、来年4月1日〜10月31日までミカンバエに対するモニタリング調査を実施する必要がある。この結果、ミカンバエが未発生であることが確認されれば、植物防疫所は当該生産地域と生産園地を新たに登録し、農水省を通じてタイに検査官の派遣を要請する。さらにタイ側検査官による調査結果にもとづきタイ側の指定手続きが終了すれば、輸出が可能になる。
うんしゅうみかん以外の柑橘類については、農水省は今後タイとの協議を進めることにしている。
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