農水省はこのほど中山間地域等直接支払制度の18年度実施状況を公表した。
交付金の総額は513億4700万円。交付金を交付したのは1040市町村だった。この制度の対象農用地がある市町村は1130となっておりこのうちの92%が交付したことになる。
18年度までに締結された協定数は2万8515で前年度より646協定増えた。
このうち集落協定が98%を占め2万8073協定となっており、個別協定は442協定ある。協定のうち、適正な農業生産活動に加えて、機械や農作業の共同化などに取り組み、交付金単価も上乗せされる「体制整備単価」協定は47%で前年度より2%増えた。
交付金が交付された面積は約66万3000haで前年度より9000ha増加。このうち体制整備単価による交付面積は約52万5000haで全体の79%を占めている。
集落協定の1協定あたりの平均交付面積は、全国で23ha。北海道798ha、都府県12haとなっている。平均交付金額は全国で182万円。北海道では1974万円、都府県では156万円となっている。
担い手などへの農作業受委託や、法人の設立などより積極的な取り組みに対して交付金が加算されるが、この取り組み状況は面積で「規模拡大加算」89ha、「土地利用調整加算」3113ha、「耕作放棄地復旧加算」89ha、「法人設立加算(特定農業法人)」3399ha、「法人設立加算(農業生産法人)」2839haとなった。
交付面積を地目別にみると、田80%、草地92%、採草放牧地84%だが、畑は64%と協定締結率が低い結果となっている。
耕作放棄地の復旧は合計145haで計画され、37haがすでに復旧された。
交付金のうち共同取り組み活動への配分割合は全国平均で57%。使途でもっとも多いのは「農道・水路管理費」で26%となっている。次いで機械購入や施設整備、災害復旧、イベントなどに備えた「積立・繰越」が21%だった。
また、集落協定の参加者のうち交付農用地を持たない農業者と非農業者の割合は、北海道では約5600人、27%と高い割合となっている。都府県では約3万2000人で参加率は5%。
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