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野菜の特徴をアピール |
19年度の「第1回加工・業務用野菜産地と実需者との交流会」が7月5日、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された。
(独)農畜産業振興機構の木下寛之理事長は、国内の野菜消費の半分以上は加工・業務用が占めている現状を述べ、「加工・業務用に対する産地の対応は十分ではない。産地と実需者が情報を持ち寄り、交流することで、加工・業務用での国産野菜のシェア拡大が期待される」と、産地と実需者の情報の共有化が求められていると語った。
山田修路農水省生産局長は、「加工・業務用の輸入野菜が増え、17年度に野菜の自給率が80%を下回った。加工・業務用にも対応できるよう、国内の生産体制をどのように構築するかが、今問われている」と、野菜の自給率アップに向け生産者、実需者一丸となって取り組もうと呼びかけた。
会場には生産法人、市場関係者、JA・全農県本部、種苗会社、試験研究機関など57団体のブースが設けられ、それぞれの団体が加工・業務用野菜に関する取り組みを紹介した。JA全農長野は管内JAの特産品と出荷時期等を一覧表にして、常に加工・業務用野菜が手に入ることを来場者にアピール。また、JAとぴあ浜松は、品目ごとの特徴や栽培方法、月別の出荷数などを一覧表にした『商品提案書』を展示。実需者との商談の際には、この『商品提案書』が役立っているとのことだ。種苗会社のブースでは、持ち運びに便利で少人数家族のニーズにあわせた小型野菜の開発が活発に行われていることを伺わせる新商品などが展示されていた。
また、同じ会場で加工・業務用野菜マッチング促進セミナーが開催され、黒澤賢二(株)アイエー・フーズ取締役統括常務が「これからのJA販売事業と実需者との連携について」を、田中秀幸(株)ロック・フィールド購買部マネージャーが「野菜・惣菜ビジネス最前線」をテーマに語った。黒澤氏は、地元JA甘楽富岡の伝統産業である『養蚕』で実施されていた仮渡し金制度から安定的な経営の大切さを学んだことを述べ、品目別の“面積予約システム”による計画生産・販売を実践していることや、JA内の販売促進委員会や商品開発部会を中心とした商品化・ブランドづくりにも力を入れていると語った。
田中氏は企画から生産・加工・販売までを自社で行っていることで、規格外や多少のキズがある野菜でも加工・業務用としては使用できるのでコスト削減になると語った。また、等級等の選別が速くでできるため新鮮であるなど、自社一貫生産の優位性をアピールした。また、生産者と一緒になって売っていく姿勢が大切で、消費者にも野菜が収穫後、どのように保存され、輸送されて食卓に上るかを知って欲しいと語った。
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