農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース

台風4号の農産物被害防止、農水省が呼びかけ (7/12)


 大型で非常に強い台風第4号が日本に接近しており、広い範囲で農産物に強風、大雨による被害が出ることが心配されている。
 農水省は7月12日、被害を最小限にくい止めようと、地方農政局などに技術指導の徹底をうながす通知を出した。
 台風が本土に上陸した場合には、本州付近に停滞している梅雨前線の活動が活発になり、広い範囲で大雨になるおそれがある。春以降の小雨で西日本では水不足が心配されていたが、一転してほ場への土砂の流入や冠水、浸水などの発生が懸念されている。
 品目別の主な注意点は次のとおり。
水稲=事前の対策としては、大雨による冠水または浸水後の排水を速やかに行うため、ほ場周辺や排水路の点検整備をする。また、被害の拡大を防ぐため、水稲が冠水した場合は葉先だけでも水面に出すよう、速やかに排水する。
 葉の裂傷、冠水が著しい場合は、白葉枯病などの多発が懸念されるので、的確な防除に努める。いもち病の的確な防除も重要。
大豆=は種後の冠水、浸水で出芽数が減少したり生育初期に被害を受けた場合は、再は種をするなど、被害の軽減に努める。湿害で葉色や生育に不良の病状が出た場合は、窒素を追肥して生育の回復に努める。
野菜=園芸施設は、防風対策として防風網の設置、施設周辺の清掃をする。燃料タンクは転倒しないよう、安全性を確認する。冠水、浸水の場合は速やかな排水が重要。
果樹=風害防止の防風網の設置、支柱の補強など。風すれした果実で出荷できないものは、早期に摘果。落葉した場合は、白塗剤を塗布。強風により樹体が弱まった場合は、樹勢に見合ったせん定、施肥、摘果をする。(独)果樹研究所の「果樹気象災害対策集」を参考にする。
畑作物=ほ場が滞水した場合、かんしょ、ばれいしょなどの塊茎腐敗を防止するため、排水する。
畜産=家畜防疫対策要綱(平成11年4月12日付農水省畜産局長通知)により、立入検査、消毒等の実施など。家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)にもとづく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底する。

(2007.7.13)

 

 

社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。