訪欧中の赤城農相は7月12日、WTO(世界貿易機関)のファルコナー農業交渉議長と会談した。
会談のなかでファルコナー議長は、7月中旬に呈示するとしている議長文書の改訂版について「各国をコンフォート・ゾーン(それぞれが主張している立場、の意)からひっぱり出すもので各国にとって厳しいものになるのではないか」と語った。
一方、赤城農相は上限関税の不適用や重要品目の十分な確保など日本やG10の立場を主張した。会談後の会見で議長文書改訂版について「感触は微妙。どの程度引っ張り出されることになるのか」などと語ったものの会談は1時間を超え「(議長文書改訂版が呈示される前の)この時期に会えて非常に良かった」と強調した。また、議長文書について「交渉の土台となるべく作成されるペーパー」と指摘し、交渉の土台となるかどうかは呈示された文書に対する各国の評価次第との認識を示した。
農業交渉では一般品目より関税削減幅を少なくする重要品目の数が大きな焦点となっている。5月初めのファルコナー議長文書で関税化品目の1%という数字も議論の幅とされていたが、6月に決裂したG4会合ではこの点については「4〜5%」という数字で議論されたとも伝えられている。しかし、日本やG10は「10〜15%」を主張しており「呈示されたとしても4〜5%では不十分。そこに(わが国・G10の)主張が反映されるかどうかが焦点になる」(農水省国際部)。
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