全農は子会社などを含めた18年度の「連結業務報告書」をこのほどまとめた。
それによると、グループ内取引きを消去した事業収益(売上高)は、6兆6274億円でほぼ前年並みとなっている。事業別には、園芸販売が単価回復により増加。飼料は価格上昇により分量増となっているが、米穀は18年産米の不作などから減少となっている。
事業総利益は、米穀や飼料関係子会社の収支改善、会社化された園芸、畜産、生活店舗会社の粗収益確保などにより2397億円となった。事業総利益から事業管理費を差し引いた事業利益は、全農単体では86億円のマイナスとなっていたが、グループ全体では116億円の黒字となっている。
経常利益は、飼料海外子会社の借入にともなう利息の増加があったが、受取利息、賃貸料、持分法適用会社に対する投資利益の確保などにより206億円となった。税引前当期利益は、固定資産処分益の減、全農本体の構造改革引当金の繰り入れもあり116億円となっているが、さらに税金の負担および法人税等調整額の計上により当期剰余金は△61億円(当期損失金)となった。
また、総資産は1兆8715億円で前年比102%となっている。
財務の健全性指標である流動比率は109.2%と100%を超えている。自己資本比率は22.8%となっており、大手総合商社5社と同水準、食品専門商社2社よりも高くなっている。事業利益率は0.2%、総資本事業利益率は1.0%と大手総合商社や食品専門商社と比較してやや低くなっている。
ただ、協同組合である全農と一般民間企業を同じ基準で比較することが妥当かどうか。本紙が先に全農3か年計画について「検証:全農に求められる経営成果とは何か」で指摘したように、協同組合としてのビジネスモデルはどういうものなのかを明確にし、それにもとづいて、判断すべき時期にきているのではないだろうか。
なお、連結対象会社は、連結子会社184社、持分法適用会社138社、合計322社で、前年より12社減少した。
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