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地球環境問題に関する有識者会議 |
農水省は、地球温暖化対策や生物多様性の保全について今後政府全体での検討作業や国際会議の状況を踏まえ、実効性の高い施策の推進方法について検討を進める必要があるとして、幅広い有識者から意見を求め、具体的な取組みに反映させるため、有識者会議(座長=林良博東京大学大学院教授)を設置、7月20日農水省で第1回目の会議を開いた。委員には、農林水産業など環境問題に関わる広い分野の現場、研究に携わる代表が加わっている。
農水省は、地球環境保全に貢献する農林水産業の実現に向け、平成19年2月に「国産バイオ燃料の大幅な拡大に向けた工程表」、6月には「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」、7月には「農林水産省生物多様性戦略」を相次いで策定し、取組みを進めている。
有識者会議では当面、▽地球温暖化対策の推進▽生物多様性の保全▽バイオマスの利活用の推進▽戦略および工程表の進捗管理と今後の施策への反映、の4項目を検討する。
農水省の小林次官は「地球環境問題は21世紀の人類にとって大きな課題。農水省としてこれまでいろいろな戦略を出してきたが、国として共通した指針にまとめあげることが必要だ。有識者会議での意見を体系化、総合化して施策作りに活用していきたい」と会議の成果に期待した。
当日は第1回会議のため、農水省側から農水省の地球環境対策の現状と今後の基本的方向について資料説明したあと、各委員が意見を述べた。
第2回めの会議は今年9〜10月ごろに開催し、地球温暖化防止対策としての「京都議定書」(第1期は先進国の温室効果ガス排出量を2012年までに5%削減を目標)の第2期の目標づくりなどについて協議する予定。
地球環境問題に関する有識者会議のメンバーは次のとおり。
▽青山佳世(フリーアナウンサー)▽安藤直人(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)▽金沢滋(林業経営家、岩手・木質バイオマス研究会会長)▽亀山康子((独)国立環境研究所地球環境研究センター主任研究員)▽栗山浩一(早稲田大学政治経済学術院教授)▽櫻井尚武(日本大学生物資源科学部教授)▽櫻本和美(東京海洋大学海洋科学部教授)▽佐々木陽悦(農業者=宮城県大崎市)▽佐々木晨二((株)J-オイルミルズ代表取締役社長)▽寺島実郎((株)三井物産戦略研究所所長、(財)日本総合研究所会長)▽中田薫((独)水産総合研究センター研究開発コーディネーター)▽中田英昭(長崎大学水産学部長)▽永松恵一((社)日本経済団体連合会常務理事)▽林陽生(筑波大学生命環境科学研究科持続環境学専攻教授)▽林良博(座長)(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)▽福島哲男(北部太平洋まき網漁業協同組合連合会理事、福島漁業社長)▽八木一行((独)農業環境技術研究所物質循環研究領域主任研究員)▽横山彰(中央大学総合政策学部教授)▽吉水由美子(伊藤忠ファッションシステム(株)マーケティングディビジョンR&Dグループマーケティングディレクター)▽渡邊紹裕(大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所教授)
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