事務所費問題で説明責任を問われていた赤城徳彦農水大臣は、8月1日安倍総理に自ら辞表を提出、受理された。急逝した松岡利勝氏の後任として6月1日に就任後、わずか2か月の任期だった。
赤城氏は1日午後1時50分から農水省で記者会見し、辞任に至る経過などを説明した。
「昨日夜、ひとりでいろいろ考え、参議院選挙の大敗の責任の一端は自分にもあると認識し、辞任を決意した。1日は午前中公務があったので、その後に官邸に出向くつもりだったが、官邸から朝、招請があり、総理とふたりで話した。総理の気持ちも同様と感じ、その場で辞表を書かせて欲しいとお願いし、提出、受理された」。
また、事務所費については「領収書の公開を言われて来たが、ルールに則り報告してきた。新たなルールが決まれば、それに従って事務処理する」とこれまでの主張どおりだった。「就任以来説明をしてきたが、正しく報道されなかったのは残念」とも述べた。
農政の成果としては、「産業としての日本の農業の確立に向けて全身全霊を傾けて攻めの農政に取り組んだ。ファルコナー・ペーパーが出される直前に同氏と会見し、日本の立場を十分に説明してきた成果があったと思う」と振り返った。
今後の農政について思いを寄せ、「地域全体の底上げをし高水準の農業をめざす施策や、日本食を世界に広め農林水産物の輸出振興に役立つ施策を来年度の概算要求づくりに盛り込むようすでに指示している」、「後任大臣も積極的な農政を進めることは変わらないと思う」と期待を示すとともに、就任からわずかで退任を迎えたことに無念さをかいま見せ、時折顔面を紅潮させる場面もあった。
「説明をしていると言う主張が国民に納得されなかったことをどう思うか」との記者の質問には「すべて自らの不徳のため」とし「辞任は自分で決めた」と強調した。
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