7月27日に就任した宮下弘全農理事長が、8月7日に就任後初の記者会見を行った。
宮下理事長は、不祥事が続いたこともあって内部の管理体制に重きをおいてきたため、「経済事業団体でありながら、現場に出向くあるいは事業で攻めるという姿勢が欠けていたのではないかという思いがする」と語り、今後は次の2点について職員に徹底し自身も先頭に立ってやっていきたいと語った。
一つは、コンプライアンス。この間の取り組みは専門家からも高い評価を受けているが、まだ完璧というにはほど遠い状態も散見される。いま必要なことは新たな仕組みづくりではなく、これまでにつくり上げてきた仕組みの個々の職場への浸透であり、実践である。「作り上げた“形”に“魂”を吹き込むことが、最大の課題」、そのためにも、「簡略化できるものは簡略化し、グループ内の役職員が確実に実践し、信頼に応えていく態勢をつくりあげていく」と、ガバナンスでは浸透させることに徹底していくとした。
もう一つは、経済事業団体として事業の方向を明確に定めて、「内向き組織となることを避け」、「自らがJAに出向き、顔をあわせて協議をし、理解を得ることがすべての基本」である。「その結果として成果につながり、確固たる事業経営を築いていきたい」「この2点を肝に銘じて役職員が一致団結して取組み、”戦える全農”にしていきたい」と決意を語った。
また、広報担当の奥野和雄参事も同席し、秋田県本部での経験から情報公開することの大事さについて刺激を受けた。これからも全農が「何をしようとしているのかを、適切にスピーディーに伝え」、JAや生産者、消費者にそのことを認知されるようにしたいと述べた。
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