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カナダへ初の牛肉輸出 上州和牛の高級部位172.6kg
−JAグループ (8/8)


輸出牛肉を積んで出発するトラック
輸出牛肉を積んで出発するトラック

 "上州和牛"の初のカナダ向け輸出の出発式が8月8日、(株)群馬県食肉卸売市場(群馬県佐波郡玉村町)で行われた。県内の生産者が出荷した和牛のうち、リブロース・サーロイン・ヒレのロイン系と肩ロース3頭分176.2Kgを輸出するもので、カナダへの出荷はJA全農ミートフーズ(株)が、全農群馬県本部の協力を得て行い、JAグループあげての取り組みとなった。
 出発式で、本川一善農水省生産局畜産部長は、「カナダという新たな市場が開かれたことを喜ぶと同時に、これからも美味しくて安全・安心な日本の農産物を世界の多くの人に届けたい」と、農水省が進めている農畜産物の輸出が一歩前進したことを評価した。大澤正明群馬県知事からは、「飼料価格の高騰など厳しい情勢のなかで、海外からの和牛の高い評価は生産者を元気づけるとともに、国内の消費者にも大きなアピールとなる」と、輸出をテコに生産者、業界関係者などが一丸となって苦境を克服しようとのメッセージが寄せられた。
 奥木功群馬県中央会・各連合会会長、本川一善氏、橋場正和全農群馬県本部副会長、狩谷哲夫JA全農ミートフーズ副社長、西馬場茂全農参事など来賓によって、輸出牛肉を積んだトラックの前にセットしたテープがカットされた。テープカット後、参加者全員に見送られてトラックは納入先であるJA全農ミートフーズ東日本営業部へ向け出発した。
 カナダ向け輸出の認定は、HACCP方式による衛生管理手法で運営されていることが認められた食肉処理施設に与えられ、認定取得には厚労省が定めた「対カナダ輸出食肉を取り扱うと畜場等の認定要綱」による認定基準を満たすことが必要だが、同社は今年3月に認定を受けている。「量は僅かですが、今後も輸出に力を入れていきたい。安全・安心な和牛が世界で評価されることで、国内の消費にもはずみがつけばと期待しています」と、狩野哲男食肉卸売市場社長は今回の輸出が果たす役割を語った。
 輸出食肉は8月13日、成田空港からエアーカナダ便でカナダに送られ、通関等の手続きを経て、到着後2〜3日後にはカナダの消費者に届けられる。輸出されるのは高級部位であるため、ほとんどはホテルおよび高級レストランで使用される。現在、対カナダ食肉輸出認定処理施設は同社を含め全国で4か所しかないため、JA全農ミートフーズが取り扱う輸出食肉は当面"上州和牛"のみとなる。今後は、現地での需要を開拓して毎月400Kg程度の輸出をめざしたいとしている。

(2007.8.9)

 

 

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