食料自給率(カロリーベース)は平成10年から8年連続で40%と横ばいだったが、18年度は1ポイント下がって39%となった。8月10日農水省が発表した。
18年度の1人1日あたりの供給カロリー(輸入含む)は2548Kcalで前年より25Kcal減った。一方、生産面では国産カロリーは前年より27kcal減って996Kcalだった。
供給カロリーは平成に入ってから2600kcal台に増えていたが、平成14年度から2600kcal台を下回って推移しており少子高齢化の影響が出ている。そのうちに占める国産カロリーの減少幅は供給カロリー全体の減少幅より大きかったことから、カロリーベースの自給率が低下した。
農水省は自給率低下の要因は天候不順による生産量の減少を挙げた。砂糖類では前年比▲7万トン、いも類・でんぷんで同▲18万トンとなったほか、みかんでは災害などに加えてうら年であったことから同▲29万トンとなった。
また、米の消費量は61.4kgから61.0kgと減少に歯止めがかからず、18年産が作況96の不作だったことから、ぜんべいなどに使用する国産加工米が不足し、それをミニマム・アクセス輸入米が補ったため、米でも国産カロリーが減少した。
大豆、りんご、きのこの生産量増や魚介類の輸出増、食生活面では輸入依存度の高い油脂類の消費量が減少といった自給率が上昇する要因もあったが引き下げ要因のほうが大きく影響し全体として低下した。
また、生産額ベースの自給率も前年度から1ポイント低下し68%となった。これはとうもろこし価格の上昇を受けて輸入飼料額が増加しことから、畜産の国内生産額が対前年▲796億円となったことや魚介類の国内生産額が減少(▲402億円)したことなどが要因となった。
食料需給表ではカロリーベース自給率は小数点以下までは示さないことになっているが、平成10年から17年度までの数値(%)は、40.4(10年)→39.8(11)→39.6(12)→40.0(13)→40.3(14)→39.7(15)→39.5(16)→39.7(17)となっている。
過去10年間をみると変動がありわずかながらも上昇局面があったが、18年度は14年度にくらべて1.2ポイント下がるなど、明確に低下傾向を示した。
若林農相は同日、自給率向上につながるよう成果を意識した戦略的な取り組みの強化をすることを表明し、米、飼料作物、油脂、野菜という自給率に大きく影響を与える重点品目に集中して20年度予算も視野に「危機感を持って早急に取り組みを検討」することを省内に指示した。
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