JA共済連では、今年10月1日傷害共済・賠償責任共済の仕組改訂を行うことにした。
今回新設されるのは、新農政対策を背景とする新たな農業形態や資源保全活動に対する保障面からの支援策で「記名被共済者限定特約付農作業中傷害共済」と「包括契約に関する特則付イベント傷害共済・イベント賠償責任共済」(イベント共済 環境保全プラン)の2つ。
「記名被共済者限定特約付農作業中傷害共済」は、従来の「農作業中傷害共済」では、被共済者の範囲を1農家単位としていたが、集落営農の組織化・法人化を踏まえて、集落営農組織・農業法人のオペレーターなど個々の農業者単位に加入できるようにしたもの。これによって、従来型か新設されたものかを選択することができるようになる。
「イベント共済 環境保全プラン」は、19年度から実施されている「農地・水・環境保全向上対策」の支援対象となる農業者・地域住民などの活動組織による農地外の水路・農道などを保全する共同活動中の参加者の傷害事故、主催者・参加者の賠償責任事故を保障するもの。イベント傷害共済とイベント賠償責任共済にセットで加入することで、参加者が不慮の事故で死亡・負傷したときや、事故により法律上の賠償責任を負ったときに保障される。
また、保障期間が1年となっており、年間を通じた「共同活動」がまとめて保障されることになる。参加者数や開催日の追加、変更など活動計画の変更は、契約期間満了時に通知することで、契約時の掛金との差額が精算できるようになっている。
これによって、農地・水・環境保全向上対策の共同活動については「イベント共済 環境保全プラン」で、営農活動については「農作業中傷害共済」に加入することで、まとめて保障を受けられることになる。
このほか、傷害共済の共済金支払方法が、入院・通院の治療日数に応じて支払われていた「日数払方式」から、受傷した「部位」とその「症状」に応じて契約した共済金額の2倍〜120倍の額の共済金を受け取る「部位・症状別払方式」に変更される。
これによって、ケガの部位と症状が確認されれば、治療中でも共済金を受け取ることができるので、事故発生後の急を要する出費に対応することができる。
また、高齢化に対応して普通傷害共済、農作業中傷害共済、就業中傷害共済に加入できる最高年齢を、従来の80歳から「99歳」に引き上げるなどの改訂も行われる。
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