農林中金総研はこのほど07年〜08年度改定経済見通しを公表した。
それによると、07年に入ってから鉱工業生産が足踏みを続けており、また、消費者物価も2月以降、前年比下落を続け、最近の経済・物価情勢には明確な改善が見られないと指摘。4〜6月期のGDP統計は民間消費・輸出の減速から年率2%前後とされる潜在成長率を大幅に下回る0.5%となったことから、景気は足踏み状態、としている。
民間消費については賃金上昇率の相変わらずの伸び悩みに加え、ガソリン価格の上昇などによる消費抑制効果、さらに住民税増税による消費マインドの悪化など、国内需要には景気を再加速させる力は期待できないと分析している。
ただ、今年4−6期で11%を超える高い経済成長を続ける中国など東アジアや、EU向けの輸出が底堅いことや、4月に大きく落ち込んだ米国向け輸出も持ち直してくると予想されることなどから、今後、輸出増勢が強まってくると予想。輸出依存で景気は再加速し、07年の実質経済成長率をプラス2.1%、08年度を2.8%と予想した。デフレ脱却の動きも緩やかに進行し、08年度1−3期にはGDPデフレーター(実質GDPと名目GDPの差)はプラスに転じると予想している。
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