農水省は8月30日、8月15日現在の水稲作柄概況を公表した。8月15日現在の出穂済み面積割合が、平年ベースでおおむね8割以上を占める早場地帯19道県の作柄はおおむね「平年並み」(作況指数99〜101)だった。7月に入り全国的に低温・日照不足だったが、梅雨明け以降、一転して気温・日照時間がともに平年を上回って記録的な高温、多照になり、作柄が回復したと見られる。
19道県のうち、「平年並み」が15道県(北海道、青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、新潟、富山、石川、福井、長野、三重、滋賀)、「やや不良」(95〜98)が3県(千葉、鳥取、島根)、7月の天気が良かった秋田は「やや良」(102〜105)だった。
収穫がおおむね終了した早期栽培地域(5県)の作柄は、徳島、高知が「やや不良」、台風4号などの影響を強く受けた宮崎、鹿児島では「著しい不良」(90以下)、沖縄は「不良」(91〜94)だった。早期栽培地域はこれまで作況指数が発表されていたが、今年は乳白米などが多く発生しそうで、規格外など飯用に使用できるものを精査する必要があるため、今回は作柄の良否が発表され、指数は次回発表される。
遅場地帯の27県については、「生育」の良否が発表された。「平年並み」が19都府県(群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、岐阜、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、広島、香川、愛媛、高知、長崎、鹿児島)、「やや不良」が7県(岡山、山口、福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎)、徳島は「やや良」だった。7月に低温、日照不足だった西日本がやや悪くなっている。
遅場地帯の中で、早期栽培米が「やや不良」だった徳島は「やや良」、高知は「平年並み」、「著しい不良」だった宮崎は「やや良」、鹿児島は「平年並み」と良くなっている。
次回の9月15日現在の調査で19年産米の状況がほぼ確定するが、8月30日に開催された第2回水稲作況委員会(座長=畑中孝晴(社)農林水産先端技術産業振興センター顧問)は、次回の調査に当たって特に留意すべき事項として次の3点をまとめた。
▽7月の日照不足により生育が遅延している地域では、品種・地域別の出穂遅延程度ともみ数を正確に把握する必要がある。
▽梅雨明け以降、例年になく高温・多照傾向で推移していることから、登熟等や玄米品位におよぼす影響を十分把握する必要がある。
▽次期のもみ数確定期調査日は、例年どおり9月15日現在とするのが適当。
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