農林漁業金融公庫が8月22日公表した調査結果によると、食品産業(製造業、卸売業、小売業、飲食店)の平成19年上半期(1〜6月)の景況DI(動向指数)は▲11.5で、前期より2.0ポイント悪化し、18年上期▲10.2、18年下期▲9.5と続いた回復傾向は足踏み状態となった。しかし、19年下半期の景況DIは▲5.5と、6.0ポイント上昇する見通し。
19年上半期に悪化の幅がやや大きかったのは、製造業では冷凍食品、めん類、卸売業では青果物、生鮮魚介、小売業は店舗形態では生活協同組合、商品では生鮮品で、飲食店は落ち込みが大きかった。
19年下半期の回復が大きく見込まれるのは、製造業はめん類、食肉加工品、炊飯・そう菜、油脂、卸売業は青果物、小売業の店舗形態ではコンビニ、商品では生鮮品。飲食店も大きく回復する見通しだ。
地域別の差は依然として大きく、16年下半期以降、全地域がマイナスだったが、南関東は前回調査同様もっっとも良い結果がでており、指数が初めてプラスに転じた。北海道、甲信越、北陸、近畿、四国、九州では指数が低下した。19年下半期は南関東の指数は7.7とさらに上昇、北関東はプラスに転ずるほか、全国的には大きく回復すると見られるが、四国、九州はさらに低下が見通され、地域間格差はさらに拡大の傾向だ。
業態別では、小売業で景況DIはプラスを維持し、反対に製造業、卸売業、飲食店で低下した。しかし、19年下半期は4業態ともに指数は上昇する見通し。
雇用は、雇用判断DIが19年上半期は2.3ポイント下がり7.0で、不足感が残る。下半期は4.3ポイント上昇して回復の見通し。設備投資DIは▲2.1と前年同期より1.4ポイント上昇し、13年から増加傾向にあった設備投資に一服感がある。
(用語解説)
○景況DI=売上高、経常利益、資金繰りの3項目について「増加する(楽になる)」の回答構成比から「減少する(苦しくなる)」の構成比を引いて、それら3項目のDI(Diffusion
Index=動向指数)を算出した平均値。
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