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遠藤農相が辞任 (9/3)


遠藤農相が辞任
 遠藤武彦農水大臣は9月3日午前、安倍総理大臣に辞表を提出、8月27日の就任からわずか8日で辞任した。
 辞任の理由は自身が組合長理事を務めた置賜農業共済組合(山形県)の共済掛け金国庫負担分の不正受給問題。遠藤農相は「一連の報道をきっかけに国民のみなさまに政治に対する不信を感じさせたことに深くお詫び申し上げる」と語った。
 会見では置賜農業共済組合をめぐる一連の問題を説明した。
 それによると投書をきっかけにした04年6月の置賜農業共済組合への会計検査院の調査で果樹共済(99年度分、ぶどう)の加入の一部に疑義が指摘された。内部調査の結果、組合の合併をひかえ合併後の実績を確保しようとした職員が掛け金を立て替えていた可能性があることが判明。04年時点で監督官庁の山形県に組合、連合会は対処方策の指示を仰いだが県の回答は「会計検査院からは連絡、指示はない」。07年5月の同組合への会計検査院検査で04年の問題を再度指摘され、県からも調査を行うよう指示。07年7月の県と連合会の調査で105戸、115万円の立て替え払いがあったことが判明した。
 農業共済制度では、この105万円と同額の国庫負担金が共済掛金総額となり、国庫分のうち約50万円が県連合会に交付され、残りは大災害等に備えて国がプール(再保険)する仕組み。そのため今回の問題で国に返還すべき国庫負担金は50万円で9月3日朝に返還した、と説明した。
 一部報道では国庫負担金を市町村段階の共済組合(=置賜農業共済組合)が不正に受給したとされたが、遠藤農相は「制度上、この種の交付金が(直接)組合に来ることはない。組合が横領、着服したということはない」と強調した。
 そのうえで「補助金執行の責任者である大臣の指示は厳正・中立でなければならない。自ら組合長の職にあった共済組合で補助金受給が不適正に行われたことは厳正・中立を傷つけるもの」と話し、「就任の際、このことを総理に申し上げていなかった。また、農政への信頼を傷つけないようにとの配慮から辞表を提出した」と述べた。
 会計検査院や県から対応についての指示に時間がかかったことについて「再々にわたりお伺いしていた。忸怩たる思いはある」としながらも、職員による掛け金立て替えは「思いもよらないこと」で「早期に解決に導かなかった責任はある」と話した。
 また、就任時に組合長を辞任していれば、との質問には「その通り。わきが甘かった」と述べたほか、就任に際して総理にこの問題を報告しておくべきだったのでは、との問いには「言っていなかったのがまずかったと言われればその通り」と答えるなど、対応のまずさに無念さを表した。
 安倍政権への影響については「期待に答えられなかったことを誠に申し訳なく思う。非常に心配してます。国会運営も一段と厳しくなると思う」との認識を示し、「在任中、何の成果も上げられなかったことを深くお詫びする」と語り会見場を後にした。

(2007.9.3)

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