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輸入小麦の売渡価格、10月から10%引き上げ −農水省


 農水省は製粉企業などに売り渡す輸入小麦の平成19年10月から来年3月までの価格を、10%引き上げる。アメリカ、カナダ、オーストラリアの中心的な5銘柄の加重平均価格は現行のトン当たり4万8430円を5万3270円とする。
 国内の麦の需要量の9割は、政府が国家貿易により一元的に輸入し、需用者に売り渡している。売渡価格は年に1回、4月に決められていたが、農水省は今年4月から4月と10月に決めるよう、制度を変更した。また、価格は以前の標準売渡価格を廃止し、国際穀物相場や為替の動向に連動して見直す相場連動制とした。
 現在の国際相場は、BRICs(新興市場国)などの経済成長や食生活の高度化による穀物需要の増大、バイオエタノール需要の増大など、構造的な変化が起きて、値上がりが続いている。
 今年4月から9月までの売渡価格は、当面、価格改定前の±5%の範囲内とするルールにより、24年振りに1.3%引き上げられたが、今回は「±5%の範囲内では、昨今の急激な変化が麦関連業界や消費者に適切に伝わらない」(農水省)として、±10%の変動幅が適用された。
 製粉各社は、4月からの売渡価格引き上げを受けて、5月から製品価格を引き上げた。今回の売渡価格引き上げにともない、製粉業界最大手の日清製粉は9月21日、11月から業務用小麦粉の出荷価格を値上げすると発表した。他の製粉各社も追随するとみられる。
 国内産麦は民間流通により、数量は「は種前」に生産者団体と需用者が契約を結び、価格は3割が入札、7割が相対で決められている。

(2007.9.25)

 

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