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農政.農協ニュース |
トリジェネシステム導入し実証試験開始 |
農水省が今年度から3か年の予定で実施する「施設園芸脱石油イノベーション推進事業」は、10月メドに施設を使った実証試験に着手する。 同事業は原油高騰による生産コスト増の影響を軽減するため、石油類に大きく依存しない施設園芸を実現させ、競争力のある農業経営の確立を目的に、モデル的に実施するもの。今年度、▽※)トリジェレネーションシステム1地区、▽小型水力発電システム1地区、計2地区の事業実施を予定していた。しかし、小型水力発電システム地区については要望する地区がなかったため、トリジェレネーションシステム地区のみの実施となった。 事業は、青森県藤崎町「常磐村養鶏農業協同組合」のグループ組織「農事組合法人八峰園」をフィールドに行われており、寒冷地のトマトの周年栽培を実現するため、トリジェレネーションシステムを導入した場合、生産コスト削減等の効果がどの程度であるかなどを確認する。今年度は、レンタルでトリジェレネーションシステムおよびパイプハウス(500m2)を準備し、10月以降予備的な実証試験を実施するとともに、来年度実施する本格的な実証試験に使用する施設(3000m2)の設計を予定 ◆来年度に実施設規模での実証試験を実施 使用するトリジェネレーションシステムは、燃料としてA重油の代わりにLPガスを使用する形式。同システムにより発生した電気はハウス内の照明などに、熱はハウス内の温度管理に使用し、二酸化炭素はハウス内に戻して光合成の促進に役立てる。また、燃料の使用量、ハウス内の温度、トマトの品質・収穫量などのデータを収集・分析し、来年度行う本格的な実証試験の調査項目等を検討をする。今年度使用するトリジェレネーションシステムは能力8.2Kw/hが1基だが、来年度は能力25Kw/hのものを3基使用する。来年度は施設の面積が500m2から3000m2と6倍に、システムの能力も約6倍にスケールアップし、実施設と同様の規模での実証試験を行う。 トリジェレネーションシステムを導入しても、燃料は必要で、A重油に比べ燃料のLPガスの価格は安い。しかし、生産コストを考えた場合には、システム導入時に必要な初期投資やランニングコストなども含めた総合的なコスト判断が求められる。現在も高値で推移している原油価格(9月21日現在、NYMEXでのWTIは1バレル81.62ドル)が、今後どのような動きを見せるか、それによってもこの事業を取り巻く環境は大きく変わる可能性があるので、今後も原油価格の動向には注意が必要だ。 なお、農業用水路等に設置した小型水力発電機により得た電気を施設の照明や冷暖房等に利用する小型水力発電システム地区の実証試験について、担当の園芸課では今後可能性のある地区に積極的に事業実施を働きかけたいとしている。 ※)トリジェレネーション |
(2007.9.27) |
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