農業協同組合新聞 JACOM
   
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赤福、店頭売れ残り返品も解凍、再包装
−農水省、確認へ立ち入り検査実施


 (株)赤福の製造年月日改ざんに対し、農水省は10月12日付で同社に対しJAS法にもとづく「指示」を行った(10月15日付既報)。また、18日には同社からさらに不適正表示等に関する新たな事実が分かったと報告を受けたため、農水省は19日と21日に事実確認のため同社の本社、名古屋、大阪工場に立ち入り検査を行った。農水省は22日、この調査で新たに判明した事実について公表した。
【まき直し(解凍・再包装)】=これまで分かっている赤福餅の出荷残品のほか、店頭での売れ残り返品も冷凍保管のうえ必要に応じて「まき直し」(解凍、再包装)し、製造と消費期限の日付を替えていた。こうしたことは、日常的に行われていた。さらに繁忙期などには、再包装した日の翌日を製造年月日として表示し、消費期限も1日延ばしていた。
【製造年月日、消費期限表示の改ざん】=店頭での売れ残り返品や出荷残商品について、各工場では冷凍しないまま再包装し、1日後の製造年月日と消費期限を表示して再出荷する場合もあった。
【製造年月日、消費期限の先付け】=当日出荷される赤福餅について、各工場では前日に製造しその翌日の日付を製造年月日として表示し、消費期限を1日延長していた。また、朔日の餅(ついたちもち:2月〜12月の各月1日に販売する季節の餅)の一部についても、本社工場では同様の行為を行っていた。当日製造した赤福餅についても、各工場では製造日後の特定の日を製造年月日として表示し、冷凍保管のうえ、特定の日に解凍して出荷していた。催事のある日の大量注文に備えたものとみられる。
【表示と内容の食い違い】=赤福餅について、冬期に糖類加工品(=砂糖、植物性たん白、トレハロースの混合加工品)を使用していたが、「糖類加工品」と原材料に表示していなかった。冬場は餅が固くなりやすいので、緩和剤として使っていたらしい。また、朔日餅のすべてについて、使用した原材料の重量順に原材料表示を行っていなかった。これは、「加工食品品質表示基準」違反に当たる。
【店頭売れ残り返品の再利用】=赤福餅の店頭での売れ残り返品をあん(むきあん)と餅(むきもち)に分け、再利用していた。餅は60%〜90%(平均68%)を赤福餅の餅に再利用し、あんは、平成12年まで一部を赤福餅のあんに再利用し、それ以降は約50%を関連会社の(株)和菓子の万寿やに販売していた。月平均4tにおよんでいた。残りは排水処理施設に投入後、排水汚泥として取り出し、脱水・乾燥して肥料として販売していた。
 同社の10月18日付の東海農政局への報告によると、赤福餅店頭から回収した商品の折箱は、あんと餅を取り出した後、内側のトレーを手作業ではがした後、機械に再投入して新しいトレーに張り替えていたという。むき餅、むきあん、折り箱の再利用は、今年1月中旬に中止したという。
                            
 農水省は不適正表示についてはJAS法に違反するとして、12日に指示した事項と合わせて改善策を講じ、報告するよう同社に求めた。

(2007.10.23)

 

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