農業協同組合新聞 JACOM
   
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食品産業の輸入青果物仕入量が増加
「平成18年食品流通構造調査(青果物)結果」から


 農水省では、毎年「食品流通構造調査」(青果物、水産物、畜産物の各分野を1年1分野のローテーションで)を行っているが、このほど平成18年の調査結果の概要がまとまった。18年の調査分野は「青果物」。
 これによると、国内産青果物の主な流通経路別仕入量は図のようになっている。業種別の特徴をみると、
「食品製造業」では、生産者・集出荷団体等(自社栽培も含む)からの仕入れが65.7%ともっとも多くなっている。しかし、前回調査(15年)と比べると1.8%減少。卸売市場からの仕入れも3.0%減少している。前回調査よりも増えている仕入先は、同業他社である食品製造業で4.0%の増となっている。
「食品小売業」の仕入先は卸売市場が82.6%(前回調査は83.5%)、次いで生産者・集出荷団体等11.7%(同11.4%)となっており、前回調査と比べて大きな変化はみられない。
「外食産業」では、食品小売業43.1%、卸売市場31.1%となっているが、食品小売業は前回調査より9.2%減少し、替わって「商社およびその他の卸売業」が前回の8.2%から13.5%に5.3ポイント、「生産者・集出荷団体等」が5.3%から9.8%に4.5ポイント増加していることが注目される。
全体的には、各業種とも卸売市場からの仕入がわずかながら減少していることも共通した特徴といえる。

流通経路別仕入量・図

◆輸入青果物、「外食」で3割増

 また、輸入青果物を含めた食品産業における青果物の仕入量(同業種間流通を含む延べ仕入量で、自社栽培したものを含む)は表のようになっている。前回調査と比較すると、外食産業では国産仕入量が0.6%増えているが、食品製造業、食品小売業では3.5%、3.3%減少している。
 これに対して輸入品の仕入量は、食品製造業で13.6%、食品小売業で12.9%、外食産業では31.1%も増加している。輸入青果物の仕入先は食品製造業は商社が76.5%(前回調査69.5%)、食品小売業では卸売市場が62.2%(同68.3%)、次いで商社30.3%(同23.8%)。外食産業では卸売市場が35.6%(同40.3%)、次いで食品小売業31.1%(同30.5%)となっている。いずれの業種でも卸売市場からの仕入割合が減少し、商社やその他の卸売業からの仕入割合が増えている。
 以上は生鮮青果物の流通状況だが、食品・調理品の製造・調理の原材料として水煮や塩蔵などの加工処理がされた「一次加工原料野菜」の輸入は、食品製造業で54万9000トン、外食産業で7万トンとなっている。この食品製造業における輸入一次加工原料野菜の仕入先をみると、その約92%が商社となっている。

青果物の仕入量・表

(2007.10.23)

 

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