農業協同組合新聞 JACOM
   
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食料自給率向上に主体的取り組み
−「自給率向上協議会構成団体」の活動(1)


 日本の食料自給率はカロリーベースで平成27年度に45%を目標にしているが、平成18年度の自給率は39%と9年ぶりに低下し、先進国では最下位だ。
 政府は平成17年4月に食料自給率向上協議会を設置(事務局は農水省)し、協議会として自給率向上のための「行動計画」を策定、取り組み強化に取り組んでいる。自給率の向上に向けては、地方公共団体、農業者・農業団体、食品産業の事業者、消費者・消費者団体等の関係者が主体的な取り組みを行っていくことが重要だ。
 協議会の構成団体はそれぞれ取り組み強化に努めており、その成果が着実に現れることが期待されている。各構成団体の平成19年度の取り組み方針をシリーズで紹介する。

JA全中の活動方針

◆集落営農、整備急ぐ

【生産面での活動】
担い手の育成・確保
 品目横断的経営安定対策の実施を契機として、水田農業を中心に園芸、畜産等でも担い手の育成に取り組む。平成19年3月末現在の認定農業者数は22万8538と伸びている。特定農業団体は1323、特定農業法人は558と、集落営農が次々と組織化されている。品目横断の加入申請は19年2月で集落営農数が3545に達した。
都道府県・地域段階での担い手育成総合支援協議会のワンフロア・ワンストップ支援総合窓口・担当者の設置、農地保有合理化事業や農作業受委託事業の活用に関する研修会を開催する。
 経験・ノウハウのある都道府県中央会、JA等の人材を活用し、担い手づくりの現場での諸課題を解決するための課題研究会を設置し、マニュアルなどを作成する。
耕畜連携による資源循環型農業の推進
 飼料用稲わら、WCS(飼料稲)の生産拡大、水田等への大家畜導入などを通じ、粗飼料自給率100%の実現をめざす。
食品産業に対する国産農産物の安定供給対策の推進
 輸入品から国産品へ切り替えるため、県間連携によるリレー販売体制づくりや、産地開発などによる国産農産物販売への取り組みを強化する。
 平成19年4月から全農園芸農産販売部に直販開発室を設置し、加工・業務用実需者への国産青果物の原体、一次加工品の供給・販売を開始した。
食の安全・安心
 消費者からの農産物の安全・安心に対する期待に応え、平成21年までにJAが販売するすべての農産物について生産履歴記帳を裏付けることを目標に、生産管理と記帳の徹底を図る。

◆米の消費拡大促進

【消費面での活動】
食育教育の推進
 「JA食農教育展開方針」にもとづき、平成21年度までにすべてのJAで食と農の体験・交流や地場産学校給食・地産地消の推進など、食育教育の実施について定める「JA食農教育プラン」を策定・実践する。
 食農教育実践研究集会を開催し、交流、相互研さんを行う。JA食農教育推進会議で実践方策の検討を行い、取り組み事例集を作成し、普及する。データベースの構築について検討する。
米消費拡大に向けた取り組み
 JAグループ一体となった
米消費拡大の取り組みを行うため、ごはんミュージアムなどの機能を活用した体験型食育イベント等による情報発信や、県産米、米加工品などの販売促進のための支援を行う。県、JA支援のための各種運営マニュアル、共通ツール、グッズの作成、提供を行う。米飯学校給食のいっそうの普及・促進を図る。

(2007.10.29)

 

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