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11月14日メドに改善案とりまとめ〜品目横断的経営安定対策
−党4役、地方の要望把握に現地調査へ (11/2)


 コメ政策で集中審議をしている自民党農業基本政策小委員会は、11月2日第6回目の会合を開き、品目横断的経営安定対策や生産調整についての検討方向を決めた。
 品目横断的経営安定対策では認定農家、集落営農組織のあり方や面積要件の緩和により多様な担い手による営農、地域の実態に応じた取り組みなどを検討する。また、事務が複雑すぎるとの現場の声に応え、簡素化についても検討する。
 対象品目が米、麦、大豆中心になっていることについて、対象作物の拡大への要望も強いため、ナタネ、ソバなどを含めるかどうか、また、収入減少影響緩和の充実も検討する。
 生産調整については、非協力者との不公平を解消するため、国の積極的な関与や参加者への優遇措置、非参加者へのペナルティー措置が重要課題となる。また、生産不利補正については、米、麦、大豆への支援措置、バイオ米、飼料用米の奨励策の可能性も検討する。
 また、「コメも麦と同様には種前に契約し、代金も支払ったらどうか」、「JAが生産者から買い取りをして集荷力を維持せよ」、といった踏み込んだ意見があった。
 同小委員会は今週精力的に検討を行い、14日には10月26日に決定したコメ緊急対策に続く第2騨となる対策をまとめる方針。案がまとまった段階で議員の地元説明用に20日頃までにパンフレットを50万部用意するという。
 また、7月の参議院選挙で農業を基盤とする1人区で大敗を喫したことを受け、地方の要望をくみあげるため、党4役が現地調査に出向くことが決まり、訪問県、日程などを調整中と西川小委員長から報告された。
 10月31日の小委員会(11月1日付既報)での主な意見について、委員会事務局が議論の参考として整理したポイントは次の通り。

【総論】
コメについて骨太の政策が見えてこない。軸をしっかりとした国策を打ち出すべき。
ムラの形を残す大事な政策を立てるべき。
  小規模、高齢者、集落営農を包含して地域社会を守っていくことが重要。
コスト削減の努力が報われ、それを促していく政策が必要。
根本的な政策の見直しを行い、政策は分かり易くして、
  農業者の政治への信頼を回復すべき。課題を整理して不満を解消することが必要。
水田・農地の果たしている役割には大きなものがあり、世界の情勢がどう推移しても、
  水田農業を守っていくことを国民に示すことが必要。

【生産調整】
正直者が馬鹿を見ないようにしなければならない。
生産調整実施者へのメリットを充実させるべき。
メリット措置にも限界があるので、生産調整非実施者に対して罰則をかける、
  補助金を交付しないなどの措置を講じるべき。
JAに調整を任せるのは逃げ腰であり、責任放棄だ。
転作目標を県と県の間で調整する取り組みをもっと進めるべき。

【品目横断的経営安定対策関係】
面積要件を大幅に緩和すべき。対象品目についてソバなどを入れるべき。
知事特認を積極的に活用すべき。
ナラシをどう充実していくかなど、幅広く検討すべき。
制度の説明が不十分。
方向は間違っていない。手続きが複雑すぎるので簡素化すべき。
生産調整実施者へのメリットを増やし、地域の実態に応じた多様な担い手を
  取り込んでほしい。
品目横断になって交付金額が下がっている。転作メリットを大きくすべき。
書類の簡素化、対象品目の追加、交付額の増額、ナラシの充実等はかるべき。
JAに助成して事務に取り組むべき。
簡単な仕組みで面積要件を半分ぐらいにすべき。
農地の貸しはがしも一部には生じているのが問題となっている。
麦、大豆を作れないところは厳しい。水田に適したバイオ米、エサ米等を導入し、
  ゲタをはかせるべき。

【民主党法案関係】
自由化を前提としている。生産コストしか補てんしないのは「産業としての農業」にはならず、
  我々のめざすものとは違う。
いいところは取り入れても良いのではないか。

(2007.11.5)

 

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