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鳥井一美常務
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農林中央金庫は11月14日、JAバンク住宅ローン推進担当者大会を東京で開催した。この大会は全国のJA,県域で蓄積した住宅ローン推進に関する情報やノウハウを集め、共有することで、JAバンク全体で住宅ローンの推進力向上をめざすことを目的に行われるもので、全国から住宅ローンの第一線で活躍しているJA職員など約150名が参加した。
今年6月の建築基準法改正で建築確認申請が厳格になった影響から、建築着工は6月以降前年を大きく下回る水準で推移している。しかし、この影響は間もなく沈静化するものと思われ、今後は団塊ジュニア世代の住宅購入適齢期が迫っていることから、多くの需要が見込める。そのような情勢から、住宅ローンの堅調な伸びが期待できるが、各金融機関の間では激しい住宅ローン獲得競争が起こっている。
「厳しい競争環境を勝ち抜き、住宅ローンを伸長しなければならない。住宅ローンは20年、30年と長期間の取引関係を築くことが可能な商品であるばかりでなく、その取引関係から貯蓄や共済などの加入につながることが期待できる。他の金融機関も住宅ローンの獲得に力をいれるなか、専門的な業務知識を有するローン専任担当者の配置などで、JAのローン営業体制の充実を図ることが必要になる」と鳥井一美常務は、ローン営業に携わる人は、常に最新の情報に接し、ノウハウを取り入れる努力を怠るべきではないと語った。
◆住宅ローンはJAバンクローン伸長の中心
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柴嵜幸男JAバンク
事業商品部長
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柴嵜幸男JAバンク事業商品部長は、JAバンクに限らず金融機関全般で、預かるお金に対して貸し出すお金が少ない状況(貯蓄超過)が続いているが、そのような状況の中、住宅ローンは数少ない優良貸出先の一つと見られている。今年度から始まった『JAバンク中期戦略』の中で、住宅ローンはJAバンクローン伸長の中心、JAの収益力向上策の最優先取組事項に位置づけられている。前JAバンク中期戦略(16年度〜18年度)では、3年間で約1.4兆円の住宅ローン純増実績を確保したと全国の情勢を報告。
さらに「多様化する顧客ニーズやライフプランに合わせた提案型営業が求められており、顧客から喜ばれる営業活動が重要だ。また、住宅ローンをきっかけとして組合員になった方に対して定期的なフォローアップを行い、JAのファンを増やして欲しい。そのことが、JA事業全体に良い影響となって、必ず帰ってくる」と、担当者の奮起を促した。
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