農業協同組合新聞 JACOM
   
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生産調整手法の改善など論点整理 −自民党農業基本政策小委員会
(11/14)


 今後の米政策・品目横断的経営安定対策の見直しについて集中的に検討を進めている自民党農業基本政策小委員会(西川公也委員長)は11月14日、中間とりまとめを行い、政府との交渉の結果メドがついた事項、継続交渉中の事項を区分けした。予算のともなう事項も継続検討事項とした。
 農水省の20年度概算要求が既に財務省に提出されているため、対策費は極力19年度補正予算で確保する方針。11月28〜30日の間に与党政調会長が補正予算を政府に要請する際、これに盛り込ませることが当面の大きな課題となった。また、12月3日に閣議決定される予定の19年度補正、20年度予算編成方針の重要事項に取り込むため、「精力的に折衝を進める」(堀総合農政調査会長、西川委員長)こととした。

【生産調整を中心とした米対策】
 生産調整はJAだけでなく国、県、市町村など行政の関与を強くし、全都道府県の全域での目標達成をめざす。このため、目標は主食用販売数量と作付面積(数量の面積換算値)の2本立てで示す。
 また、全都道府県での達成方法として、都道府県相互間の目標調整が円滑に行える仕組みとし、産地づくり交付金の配分も考慮する。
 生産調整実施者のメリット確保対策は引き続き検討事項とされたが、飼料用、バイオエタノール米などの非主食用米による生産調整手法の導入や米ゲタ(米への補助金支出)が課題になっている。品目横断的経営安定対策の収入減少影響緩和対策についても、引き続き検討する。
 公平感を確保するため、生産調整未達成の都道府県、地域、生産調整非実施者へのペナルティー(実施者との差)として、未達成の都道府県、地域に対する産地づくり対策費の調整、他の補助金等の採択・配分などの具体的な方法も引き続き検討する。
 集荷面でも、農協が組合員からの米の集荷に関して生産目標数量の範囲内の米とそれを超える米とで引き受けや価格に差をつけても、原則として独占禁止法の不公正取引とならないことを周知させる、とした。

【品目横断的経営安定対策の見直し】
 集落全体で生産調整に取り組む場合には、小規模農家も加入しやすくするような特例措置を検討中だ。また、各種の特例を活用しても面積要件に該当しない者に対して設けられている知事特認が機能していないことから、市町村特認を認めることを検討している。集落営農で「5年以内の法人化」義務については、弾力化する方針。
 小麦やてん菜が契約条件のアロアンス以上に豊作となった場合の救済措置を講じることや、そばなどの地域作物を品目横断対策に加えることも検討中。
 申請手続きや書類の簡素化のため、申請書類の大幅な削減、様式の簡素化を行う。申請時の添付書類は、2年目以降は変更がなければ提出不要とする。農家や事務代行を行うJA等の負担を軽減する。
 緑ゲタ、麦の黄ゲタの交付時期を、農家の資金繰りに配慮し早める。
 品目横断的経営安定対策の名称はわかりやすい名称に変更するよう検討中。ゲタ、ナラシなどの用語も変更する。

(2007.11.19)

 

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