農水省の国産農林水産物・食品の輸出促進本部(本部長:岩永農水副大臣)がまとめた今年1月〜9月までの農林水産物等の輸出実績は約3061億円で、前年同期に比べ19.1%増加した。全ての月で前年より増えており、農産物、林産物、水産物ともに伸びは順調だ。
農産物では、りんご、もも、なしなどの生鮮果物が台湾、香港などで人気。牛肉は米国、香港向け輸出が本格化して大幅に増えた。米は中国向け輸出が今年6月から再開され、第1便となった24tが北京で8月中旬、上海で9月下旬に完売になった。現在、第2便以降の輸出について中国側と協議中だ。
農林水産物の輸出は、世界的な日本食ブームやアジア諸国の所得水準の向上を好機ととらえ、”攻めの農政”の柱の一つとなっている。平成19年4月に食料・農業・農村政策推進本部(本部長:内閣総理大臣)の「21世紀新農政2007」のなかで「平成25年までにわが国の農林水産物・食品の輸出額1兆円規模をめざす」ことが決まっている。 平成18年の輸出額は前年比13.0%の3739億円だったので、今年1〜9月実績の19.1%は順調だ。このペースが10月以降も続いた場合は、計算上は年間で4400億円以上になる。
農水省は輸出促進対策として、今後輸出の拡大が期待される品目について、輸出額の明確な目標を設定して戦略的に取り組もうとする事業体の輸出拡大プロジェクトに、補助率2分の1の支援を行っている。また、海外での展示・商談会や常設店舗を通じ、事業者への支援を行っている。
常設店舗は、海外の高級百貨店などにアンテナ・ショップを開設しているもので、中国(北京、上海、成都)、香港、台湾、アラブ首長国連邦(ドバイ)、シンガポール、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)にある。
|