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生産調整実施者への支援措置などを決議
−自民党農業基本政策小委員会(11/21)


 米政策、品目横断的経営安定対策の見直しについて集中的に検討している自民党農業基本政策小委員会は、第10回目となる11月21日、これまでの検討結果にもとづき、党4役、政府に対し平成19年度補正予算で確保するよう求める「申し入れ」を決議した。
 重点事項は2つで、米の消費減少に対応するための生産調整が、全都道府県・全域で確実に実行され、自給率の向上が必要な麦、大豆、飼料作物、非主食用米などの生産が水田で定着するよう、生産調整実施者に対して十分な支援措置を講じるよう求める。特に、飼料米、バイオエタノール米などについては、低コストの生産技術の確立・定着などのための支援措置をめざす。
 また、品目横断的経営安定対策については、制度の基本を維持しつつ、これを地域に定着させて行くため、地域の実態に即した見直しを行い、先進的な小麦生産の振興などに十分な支援措置を求めている。
 19年産米の作況指数が「99」の平年作でありながら米価が下落し、緊急対策として政府が34万tを買い入れ、全農が飼料米に10万tを仕向けるのは、生産調整非実施者がいるのと、米の消費減が原因だ。
 今年は政府備蓄米の積み増しでしのいだが、備蓄米は当分の間凍結する方針なので、平成20年産対策としてはこの方法はとれず、生産調整の完全な実施が最大の課題となる。このため、生産調整実施者へのメリット還元策が焦点になっている。飼料米、バイオエタノール米など非主食米の生産支援には小委員会メンバーの要望が強く、今回の重要項目になっている。
 生産調整非実施者にペナルティーを課すべきとの声も強い。農協が生産調整非実施の組合員からの米の集荷を拒否しても独占禁止法違反とならないようにすべきとの意見も出ている。
 西川小委員長は、全集連(全国主食集荷協同組合連合会)、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)などに生産調整非実施者の米を集荷しないよう協力を呼びかけたいとしている。また、生産調整実施者のみの米を集荷する集荷団体等には「適(まるてき)マーク」を付与することを考えたいとも。こうした対策を行ってもなお達成できない場合は、「立法措置も考える」としている。
 品目横断的経営安定対策については、面積要件が壁になっているとし緩和を求める意見や、知事特認の実効生がないため、市町村特認を認めるべきとの意見が多い。小麦やてん菜の反収が向上したり、生産量が増大した地域で手取りが減ることへの産地の不満が強く、この対策も重点項目とした。
 西川小委員長は会見で、「農業が産業として成り立つようにするのが基本だ。補正予算の獲得に全力をあげる」と話した。

(2007.11.26)

 

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