5年ごとに実施する農林業センサスの次の調査は、2010年(平成20年)に行われる。農水省は農林業センサス等研究会(座長:小田切徳美明治大学農学部教授)を設置して2010年農林業センサスの課題と対応方向などを検討している。
このほど開いた第2回会議では、農水省側から項目設定の考え方が示された。センサスは「農林業経営体調査」と「農山村地域調査(市区町村、農業集落別)」の2本建てとなるが、いずれも調査項目は半数程度に削減する方針。
「農林業経営体調査」は、農林業の基本構造の把握に必要な事項(経営体数、労働力、土地、販売、受託など)は継続して把握する。詳細な調査が必要ないものは母集団情報として簡素化、効率化する。「環境保全型農業、農業生産関連事業、作物別作付けの有無、家畜飼養頭数」などの項目が対象となる。
調査結果が参考程度として利用されている項目は廃止する。この結果、調査項目数は、2005年の370から190程度に減らす考え。
「農山村地域調査」は、農山村地域の基本構造については継続して把握する。市町村調査では「総土地面積、林野面積、森林計画面積」など。農業集落調査では「地域の状況、耕地面積」など。農村地域の再生、活性化対策などについては新たに把握することとし、「総戸数、寄り合いの回数、実行組合の有無」などの項目を追加する。母集団情報として簡素化、効率化する項目は「産地直売所」など。廃止するのは「棚田、谷地田」などの項目。この結果、市町村調査では2005年の37項目から11項目へ、農業集落調査では2005年の32項目から16項目へ減らす考えだ。
農水省は次回の会議で、これまでの委員の意見を踏まえた実施案を提示する。
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