(株)三菱総合研究所は、2007年に食品の回収が相次いだため、07年1年間に社告を新聞に掲載して回収された食品について集計・分析を行いその概要を公表した。
それによると、社告回収された食品は、344ブランド570品目にのぼる。製品回収社告の掲載日数はのべ186日で、2日に1日は社告が掲載されたことになる。
社告回収された食品のうち33%が菓子で、次いで一般調理済製品18%、サプリメント11%、魚製品8%、乳製品、肉製品、米製品がそれぞれ4%、酒類3%、清涼飲料水2%、そば製品1%と多岐にわたっている。
社告回収の理由としてもっとも多いのが、「品質不良」で58%、次いで「誤表示」35%で、この2つを合わせると93%となり、ほとんどこのどちらかの理由で回収されていることになる。 品質不良の内訳をみると「異物混入」が39%ともっとも多く、次いで「遺伝子組み換え原材料」が19%だった。誤表示では「賞味期限誤表示」が36%、「アレルギー物質非表示」が28%と、この2つで60%以上を占めている。
また社告中の健康被害に関する記載を調べたところ「健康被害がない」が40%を占め、「健康被害がある」と明記されているものはわずか2%で、記載ナシが58%に上っている。
調査を行った三菱総研では、これらの回収・廃棄について、消費者が具体的に何が問題なのかを理解しないまま行われている可能性もあり、「もったいない」状況になっている恐れがあるのではないか。また、健康に影響のあるものとないもの、あるいはその区別がつかないものが混在しており消費者に混乱を与えている可能性があることを指摘し、「安全・安心」と「もったいない」が両立する社会をめざした提言を行う予定だとしている。
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