JA全農は19肥料年度(19年7月〜20年6月)1−6月期のアラジンおよび尿素価格を次のように値上げすることを決めた。
▽アラジン444を7−12月期対比12.21%▽アラジン484同11.70%▽アラジン403同13.45%▽輸入尿素を同6.70%▽国産尿素を同5.71%(いずれも対県渡しベースの値上げ率)。
アラジンについては、1992年以降15年間継続したアラジンの合弁契約が19年9月末に終了し、10月から新契約に移行(3年契約)したが、その交渉過程で、主原料であるリン酸液、加里などについては直近の国際価格をベースに決定することで合意した。
これらの主原料の価格は1.4倍〜2倍以上高騰しており、大幅な値上がりとなるが、製造諸経費の圧縮や国内諸掛の削減、為替の円高を反映させることで、値上げ幅を圧縮したという。
JAグループでは、農家への影響を極力抑えるために、春肥予約分について、早取り対策に取組んでいる。
この値上げによって、アラジンと国産同等品との価格差は7−12月期のおよそ25%から15%安に縮まったといえる。
輸入尿素については、最大の輸入国であるインドの輸入需要増加や、バイオ燃料需要の高まりに伴う米国や南米での穀物生産の増加などにより、8月以降、史上最高値の水準で高騰し、全農の輸入コストは大幅に上昇しているが、為替の円高を反映させることによって値上げ幅を最大限圧縮したという。
国産尿素についても、原油価格の高騰によって、尿素の原料であるアンモニアの製造コストが大幅に上昇していることなどから、メーカーからは20%近い値上げが要求され、輸入尿素との価格差是正を求める全農と意見が鋭く対立したが、最終的に前述の値上げで妥結したという。
また、原油や肥料主原料の世界的な高騰により、複数メーカーから高度化成について値上げの要求があったが、原料価格は高騰しているが現在山元との交渉を継続していることや春肥の影響を極力回避すべきであることなどから、1月からの期中値上げは行わないこととなった。
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