農水省統計部はこのほど平成18年度畜産物生産費の調査結果を公表した。肥育豚、肉用牛、牛乳(搾乳牛)の3品目の1頭当たりの生産費、粗収益を調べたもの。
◆1頭当たり全算入生産費6.1%増加
【肥育豚】
肥育豚1頭当たり資本利子・地代全額算入生産費(=全算入生産費)は3万1498円で、前年に比べ6.1%増加した。生体100kg当たり全算入生産費は2万8012円で、前年に比べ4.8%増加した。全算入生産費が増えたのは、原油価格が高騰し、バイオエタノール需要等による飼料原料価格の値上がりで配合飼料価格が上昇し、飼料費が増加したため。
1頭当たり粗収益は、豚枝肉価格が前年度に引き続いて堅調に推移したため、前年に比べ0.9%増加し、3万2559円となった。
養豚農家の1戸当たりの飼養月別頭数は増加傾向で、飼養規模が拡大したため、労働費は減っている。飼料代は平成12年度以降増加傾向が続いている。
◆1頭当たり全算入生産費 乳おす育成牛除き増加
【肉用牛】
肉用牛の種類は子牛、去勢若齢肥育牛、乳用おす育成牛、乳用おす肥育牛、交雑種育成牛、交雑種肥育牛など多種ある。
1頭当たり全算入生産費は、子牛が47万3066円で、前年に比べ1.5%増加した。去勢若齢肥育牛が89万1908円で7.3%増加 、乳用おす育成牛が13万571円で1.5%減少、乳用おす肥育牛が37万2722円で10.3%増加、交雑種育成牛が24万3990円で7.3%増加
、交雑種肥育牛が59万6475円で6.7%増加した。
1頭当たり粗収益は、子牛が52万321円で前年に比べ3.5%増加、去勢若齢肥育牛が94万9523円で1.8%増加、乳用おす育成牛が12万7456円で15.8%増加、乳用おす肥育牛が38万7597円で2.8%増加、交雑種育成牛が26万3631円で4.3%増加、交雑種肥育牛が61万3076円で3.0%減少した。
◆搾乳牛通年換算1頭当たり全算入生産費横ばい
【牛乳】(搾乳牛)
搾乳牛通年換算1頭当たり全算入生産費は67万4114円で、前年比0.7%増加した。飼料代、乳牛焼却費、光熱水料、動力費が増えたため。
乳脂肪分3.5%換算乳量100kg当たり全算入生産費は、7450円で、前年比1.6%増加。搾乳牛通年換算1頭当たり粗収益は71万7922円で、前年比2.2%減少した。
北海道の搾乳牛通年換算1頭当たり全算入費は59万372円で、前年比0.8%減少した。労働費の減少が主な理由。乳脂肪分3.5%換算乳量100kg当たり全算入生産費は、搾乳量が減ったため6665円で、前年比1.0%増加。搾乳牛通年換算1頭当たり粗収益は、乳価が低下したため前年に比べ3.6%減少し、63万6760円となった。
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