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植物多様性を高める「谷津田」農環研が仕組み解明


 台地や丘陵に囲まれた浅い谷にある谷津田(やつだ)が植物の多様性を高めているのは、水田に日がよく当たるように周りの草刈りが定期的に行われているからだという仕組みを独立行政法人の農業環境技術研究所が解明。1月末に研究結果を公表した。
 生物多様性を重視する農業生産の推進に向けた研究で、耕作放棄のため草刈りのできない場所が増えていることも明らかにした。谷津田での耕作の維持と、適切な草刈りの実施が重要であるとも指摘している。研究は茨城県南部の筑波・稲敷台地を対象にした。
 谷津田の隣接地には周りの斜面林下部の草を刈った“すそ刈り草地”がある。そこには秋の七草の1つであるフジバカマを始めとする希少植物が多く見られ、植物の多様性の高いことがわかった。
 農村地域では肥料や飼料を採取する広い草地があったが、今は減少している。その中で農作業の1つとして定期的に草刈りが実施される“すそ刈り草地”は貴重だ。
 しかし、その谷津田も平地に比べ条件が不利であるため耕作放棄の増加が心配されるとし、その保全を訴えている。

(2008.2.4)

 

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