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米の販売、JAと連携し相互メリット追求も −農水省の検討会から


 農水省総合食料局に設置されている「販売」を軸とした米システムのあり方に関する検討会(座長:八木典宏東京農業大学国際食料情報学部教授)は、昨年10月始めからこれまで6回の検討会を開いたが、7〜8回目は先進的な米経営の状況について各地の事例を聞くこととし、2月1日の第7回検討会では、7つの事例について報告を聞いた。
 当日招かれたのは、(有)アグリ山崎(茨城県)、新潟ゆうき(株)(新潟県)、(株)ファーム木精(こだま)(島根県)、JA鴻巣市特別栽培米部会(埼玉県)、(有)しんかい農耕(福島県)、紋谷厳氏(個人、群馬県)、(有)米工房いわむろ(新潟県)の7者。
 会社、個人などはいずれも借地などによる大規模経営で、35ha〜65haなど。米の販売方法は、JAによる米穀小売業者への直接販売1例、JAへの販売1例、消費者への直接販売5例。
 JA鴻巣市の場合は、生産者13名がJAの特別栽培米部会を結成し、独自の栽培基準を設定している。品質にふさわしい適正価格を実現するため、JA、市、県の3者でプロジェクトチームをつくり、都内、県内の有名米穀店などを訪問して販路を開拓した。名を知られることが拡販につながるため、マスコミに取り上げられるよう積極的にPR活動を行ったという。
 消費者への販売は自ら行うが、JAに全量を出荷する例もあった。倉庫を持たず、精米販売が7割なので、いったん全量をJAに出荷し、販売進度に合わせてJAから仕入れ戻す。「検査米、低温保管」を品質保証の条件にしているため、農協検査や農業倉庫を活用しているという。
 独自仕様で開発した資材をJAの取り扱い品目に取り入れてもらい、JA経由で購入する例もあった。JAの融資を得られるなどのメリットがあり、相互に連携して利点を追求しているようだ。
 生産調整目標数量達成の方法にもさまざまな例があるようだ。複数農家で有機栽培をおこなっている事例では、加入農家が増えているため、生産調整を達成しても栽培面積が増えるので、規模拡大ができるとした。新潟県はあられ、せんべいなど米菓のメーカーが全国一多い県。加工メーカーとの契約栽培の形で、通常の加工用米制度の他に生産調整目標を減額する制度があり、この枠を使って目標を達成している例もあった。
 米価下落の影響は、玄米は下がったが精米販売はそれほどの影響がない、とする例が複数報告された。

(2008.2.12)

 

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