農山漁村の伝統文化を継承している人々の活動を広く知らせる「むらの伝統文化顕彰」の選賞6団体が決まった。農水省が実施しており、7回目の今年度は83団体が応募した。表彰式は3月12日都内で行う。
農水大臣賞は香川県小豆郡土庄町の「肥土山(ひとやま)農村歌舞伎保存会」。 肥土山地区の全戸(約230戸、800人)が公演に参画。地区内6組が1年の輪番制で公演を運営するため競争意識を生み、継続の大きな要因になっている。
以前は役者の高齢化と後継者難で苦しんだが、1996年に保存会の中に後継者育成会として青年部会を設け、現在会員43人が役者・下座音楽・義太夫・大道具・化粧・床山部会の中で月に2回ほど技術の習得と伝承に取り組んでいる。
1683年、灌漑用ため池からの通水を祝って芝居をやったのが始まりといわれ、その後、神社への奉納となった。現存の舞台は1900年に改築された。間口17m強、奥行9m弱の寄棟造り。
選考委員会(座長=守友裕一宇都宮大学農学部教授)は「儀式的にも技術的にも高い水準にある」と評価している。
農水省農村振興局長賞は▽北海道函館市の「函館だんづけ保存会▽栃木県那須塩原市「那須苗取田植唄保存会。(財)都市農山漁村交流活性化機構理事長賞は▽静岡県御前崎市の「特定非営利活動法人手火山」▽愛知県北設楽郡東栄町の「東栄町11花祭り保存会▽滋賀県近江八幡市の「沖島町自治会」。
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