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自給率向上へ行動計画 農水省が「工程表」示す (3/3)

 農水省は新たな食料・農業・農村基本計画案を3月3日の政策審議会企画部会に示した。原案の字句を少し修正しただけだが、農村経済の活性化施策に「規制緩和の促進」という文言が追加されたり、食生活改善の取り組みには「食品産業の参画を得る」との記述が入った。3日の部会で出た意見をもとに、さらに修正して最終案とする。

 ■基本計画の議論終了

 審議会の議論は、この日で終了し、9日に新基本計画案を農相に答申。早ければ25日に閣議決定となる。
 同省は、現行の基本計画が食料自給率目標を達成できなかったため、新計画案については目標実現に向けた工程管理の手法導入を打ち出し、3日の部会に、その枠組みを示した。工程表は行政上の実行プランで、閣議決定を必要としない。
 工程表は、基本計画を施策ごとに分け▽各施策の推進の手順や目標を提示▽進み具合を毎年検証▽それをもとに施策を見直し▽翌年以降の改善に反映させる、という枠組みだ。

 ■民間団体も数値目標

 食料自給率の向上は行動計画を策定、管理する。まず政府、農業団体、消費者団体などで協議会を設け、17年度行動計画をつくる。
 農業団体の場合は、例えば▽認定農業者の増加数▽地域農業再編ビジョンの策定数▽飼料作物の生産増大数量▽麦・大豆の品質向上に向けた改革産地数、ミスマッチ率など数値目標も掲げる、という試案だ。
 また食品産業なら▽食品廃棄物の再生利用と減量化率▽農業との連携協議会設置数、一方、消費者団体なら、行政が主催する運動への参加人数、といった具合に、それぞれ目標を掲げて行動し、年度ごとに計画を見直すイメージを示した。

 ■施策ごとに工程管理

 施策は(1)担い手づくり(2)経営安定対策の確立(3)経営発展――に分けた。
 (1)では、平成17、18年度に全国、都道府県、地域の3段階ごとに担い手育成総合支援協議会を設立。地方公共団体やJAなどと連携して担い手の明確化を重点的に実施する。また認定農業者制度の運営改善や集落営農組織を育成する。
 (2)では、品目横断的政策への転換に向け、17年度に制度を具体化。18年度は関係法を改正し、19年度に新たな経営安定対策を導入する。併せて現行の品目別政策(野菜、果樹、畜産)の対象経営向け施策を見直し、対策を立てる。
 (3)では、多様な取り組みを促進する。売れるコメづくり推進の場合は、早ければ19年度から、遅くとも20年度には農業者と農業者団体が主役となる需給調整システムに移行する。

(2005.3.7)



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