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農水省が「米横流し事件」を秋田県警に告発
−農水省、組織的な犯罪解明を期待 (6/6)

 農水省は今年1月から5月にかけての全農への検査で明らかになった(株)パールライス秋田の赤字補てんを目的に、全農秋田県本部が15年産米の一部を簿外で同社に横流しし、転売した代金で同社が25億円の赤字穴埋めを行った事件について、6月6日、秋田県警に告発した。秋田県警は同日夕方、告発状を受理した。
 告発の内容は刑法247条の「背任罪」の疑い。
 告発されたのは、秋田県本部とパールライス秋田の関係役職員の合わせて2人。同省は非告発人の人権と捜査への影響に配慮して公表していないが、秋田県本部前本部長とパールライス秋田の前代表取締役専務とみられる。
 同省では、2人が農家から預かった米を横流しして赤字補てんを行ったことは、極めて悪質で重大な背信行為であるとして告発に踏み切った。ただ、個々の農家に損害を与えたという背任行為を法律上問うのは難しいことから、横流しで生じた損害の賠償を農家にしなければならない立場と考えられる全農に対する背任容疑での告発となった。
 ただ農水省は「(この告発で司法当局には)農家に対する組織の犯罪解明もしてもらいたい」としている。
 なお、この事件では補助金不正受給も明らかになっているが補助金適化法違反での告発は継続して検討する。米の架空取引疑惑についても検討中だが、典型的な不正取引ではないことから、独禁法違反で問えるかどうかは難しいとの見方も出ている。

(2005.6.7)


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