全農秋田県本部の「米横流し事件」と「米架空取引疑惑」について農水省は4月21日に同県本部と(株)パールライス秋田の米取引の停止などを申し渡していたが、9月14日、再発防止策が確立されたとしてこの措置を解除した。農水省の決定に先立ち同日、コメ価格センターも入札参加停止処分の解除を決定した。
取引停止により全農秋田県本部はコメ価格センター実施の16年産米最終取引となった6月入札と17年産の第1回、第2回入札に上場できなかったが、今後、10月3、5日に予定されている第4回入札から上場を再開する見込みだ。また、(株)パールライス秋田との取引停止と米の保管料に対する助成金申請停止も解除された。
事件発公以降、秋田県本部は本部長に秋田県職員を選任し、コンプライアンス推進室の設置や本部長自身が全職員にトップメッセージを随時発信して職場レベルでの法令遵守、業務推進の見直しなどに取り組んでいる。消費者、学識経験者などで構成する県本部刷新委員会や、消費者・生産者モニターなどの設置も行った。
一方、全国レベルでは8月末に販売対策費も含め米の共同計算運営ルールを明確にした全国統一の基本要領を定めたが、秋田県本部も共同計算運営を定期的にチェックする監査委員会を立ち上げるなど基本要領を策定した。
そのほか(株)パールライス秋田の事業では、実需者がはっきりとしているものを除き、県外への卸間売買からは撤退、県内消費者などへの販売と産地精米事業に特化している。
同日は秋田食糧卸販売(株)に対しても再発防止策が徹底されているとして取引停止措置を解除した。
JA全農は同日、「全農改革はこれからが正念場。決意あらたに消費者、農家組合員の信頼を回復すべく全役職員一丸となって邁進する」とのコメントを発表した。
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