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水田作経営の一戸当たり粗収益減少 −農水省調査 (9/29)


 平成16年の水田作経営は稲作収入の減少で1戸当たり農業粗収益は177万円と前年に比べ15.7%減少したと農水省は9月29日、個別経営の統計調査結果を発表した。粗収益から農業経営費を差し引いた農業所得は39万円で前年比43.3%と大幅に減少した。しかし農外所得や年金などの収入の割合が高いため、総所得は493万円と3.1%の減少にとどまった。
 農業経営関与者1人当たり総所得は245万円。水田作の作付延べ面積が10ヘクタール未満の各階層は230〜250万円で推移するものの、10ヘクタール階層から水準が上がり、20ヘクタール以上では487万円になる。また、この階層は農業経営関与者1人あたり農業所得でも441万円になり、農業専従者一人当たり農業所得は763万円となっている。
 水田に作付けた稲作、麦類、豆類の経営を比較すると、10アール当たり部門収入では、稲作部門の水準が高いのに対し、所得で見ると不作のため価格が高騰したことなどにより豆類作部門が高くなっている。
 一方、労働生産性(該当部門労働1時間当たり部門収入)をみると、10アールあたりの労働時間の少ない麦類作部門がもっとも高く、逆に稲作部門がもっとも低くなっている。

◆畑作は粗収益増加

 農水省は同日、畑作の個別経営についても統計調査結果を発表した。これによると、16年度は作付面積が増加したことや収量増などにより工芸農作物、イモ類、麦類、豆類などの収入が増加し、1戸当たり農業粗収益は655万円で前年比11.9%増加した。
 この結果、農業所得は21%増加し、農外所得や年金などの収入を加えた総所得は516万円で10.7%増加した。
 北海道の農業専従者1人あたり農業所得を作付延べ面積規模別にみると、大規模になるにつれて増加し、40ヘクタール以上層では1140万円に達している。
 北海道の代表的作物である麦、豆、バレイショ、工芸農作物(テンサイ)の経営を比較すると、10アールあたり収入では、バレイショとテンサイの約12万円に対し、麦類と豆類が約8万円で低くなっている。
 一方、労働生産性をみると、麦類作部門が約2万円でもっとも高く、他作物は5000〜6000円台になっている。

(2005.10.5)



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