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農政.農協ニュース |
残留農薬のポジティブリスト制で研究集会 全農が「環境に配慮した農薬散布技術研究集会」開催 (12/8) |
現行の食品衛生法では、残留基準が定められていない場合には規制はないが、ポジティブリスト制になると基準が設定されていない場合には一律基準として0.01ppmが適用され、一律基準も含めて残留基準を超える残留が検出された食品については流通が禁止される。生鮮食品だけではなく加工食品を含むすべての食品に対して適用される。 この制度は急増する輸入農産物の安全性を確保するために導入されたものだが、狭い国土で多品種な作物を集約的に栽培している国内農業生産に対する影響も小さくはない。とくに、収穫時期の近接作物に農薬が飛散した場合や飛散による付着量が多い場合など、ときとして基準を超える農薬残留が発生する可能性があるといえる。その場合には、その生産物はいっさい流通させることができなくなってしまう。 そうした事態を発生させないために、農薬の使用基準遵守は当然だが、農薬散布時の近接作物への飛散やその他の原因による農産物の汚染について十分に注意をはらうことが必要だといえる。 こうした情勢に対応して、JA全農肥料農薬部は、JAグループとして環境に配慮し農薬の飛散を低減する散布技術等の普及・啓発を徹底することを目的に標記研究集会を12月8日に東京・大手町のJAビルで開催。全農全国本部・県本部・経済連の担当者ら120余名が参加した。 菊池健久全農常務は、この制度変更について強い意思をもって徹底をはからないと「農家組合員やJAの皆さんが手塩にかけた生産物が流通を禁止され、組合員・農家は悲しみ、営農技術員が肩身の狭い思いをすることになるので、しつこいくらいJAに働きかけて欲しい」と挨拶した。 研究集会は、まずポジティブリスト制度施行に向けた農水省の取り組みとして、横田敏泰農薬対策室長が制度の具体的内容を報告し、早川康弘植物防疫課長が農薬の飛散影響防止対策のポイントを報告。
その後、日本植物防疫協会の藤田俊一氏が、同協会が作成した「地上防除ドリフト対策マニュアル」にもとづいて農薬の飛散低減対策を具体的に解説。農林水産航空協会の斎藤武司氏が航空防除・無人ヘリ防除における具体的な対策を解説した。 さらに、JAグループの取り組みについて、全中食の安全・安心対策室の森田謙三氏が生産履歴記帳運動のポジティブリストへの対応について、全農営農技術センター農薬研究室と肥料農薬部農薬技術・安全課から生産現場における普及啓発活動について報告がされた。 |
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(2005.12.16) |
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